2021 Fiscal Year Research-status Report
障害児の家族QOLを軸とする個別家族支援計画およびペアレントプログラムの開発
Project/Area Number |
19K02598
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
小林 保子 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (30435234)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 障害児 / 家族支援 / 個別家族支援計画 / 家族QOL / 家族QOLアセスメント / 肢体不自由児・医療的ケア児ペアレントプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害がある子と家族が切れ目のない支援のもとに、地域で安心してQOLの高い生活を享受できるよう家族QOLアセスメントを基に個別家族支援計画と支援プログラム、アセスメントが一体となった家族支援システムを構築することを目的としている。 2021年度は、主に次の二つの実践研究に取り組んだ。 一つ目は、家族支援内容を立案するための「家族支援計画」案を作成し、それを用いた実践研究である。実践研究は、2つの研究協力者(事業所)に、事業者の利用者で研究協力の承諾を得られた家族を対象として16か月を期間として行う。研究は、2022年度も継続していく。なお前半の実践研究の実践報告を2022年度に開催される日本特殊教育学会にて報告予定である。 二つ目は、保護者の「子どもの育ちと家族生活を支える力」の向上支援のためのペアレントプログラムの開発で実施する実践研究(家族支援ワークショップの開催)である。コロナによる感染対策の必要性から、年初は、本年度内の実施の見通しが立たなかったが、12月に小規模での実施を試み、家族での遊びの活動とピアによるグループカウンセリングからなるプログラムを実施し、参加者へのヒアリング結果から「遊び・学び・語り合い」の場の必要性が示唆された。同時に、肢体不自由のある障害児のペアレントプログラム開発の基礎調査として保護者を対象として実施するアンケート調査案を作成した。 研究期間を1年延長したため上記の研究は、2023年度にそれぞれ結果をまとめる成果を報告していく。 なお、上記の二つに加え、初年度に実施できた家族支援ワークショップのピアカウンセリングで乳幼児グループから支援ニーズとしてあがった医療的ケア児の保育園の受入れ問題について、保育園を対象にアンケート調査を本研究と関連づけ実施し、受入れの現状と課題について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間の2年目および3年目にかけて実施予定であった研究の核となる2つの実践研究がコロナによる感染対策上の問題から実施できなかったため。そのため、3年目にあたる2021年度の段階で、1年研究期間を延長するかたちで計画を見直したことから、現時点では少し遅れている程度である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ほぼ全てが実践研究を中心としたものであり、コロナ禍の影響を受け、1年余りにわたり研究を開始できない状況にあったことから本研究全体の研究期間を1年間延長し、計画の見直しを行った。 2022年度前半には、2021年度に1年遅れて着手した2つの実践研究とアンケート調査を終え、後半にはそれらの分析結果をもとに、家族QOLアセスメントを基に個別家族支援計画と支援プログラム、アセスメントが一体となった家族支援システムの提案をめざす。
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Causes of Carryover |
研究計画で予定していた米国における家族支援センター等の視察や国際学会の参加・研究発表が初年度から2021年度まで実施困難となった。繰り越し予算のほぼ8割は、旅費として計上していたものであり、他2割は実践研究の諸経費である。2022年度は、旅費等については、今後の国内外の情勢を踏まえ、可能であれば活用し、困難であれば年度末までに研究成果を公表するためのサイトの立ち上げや国内で家族支援を掲げている支援センター等の訪問用の旅費として活用していく予定である。
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Research Products
(2 results)