2020 Fiscal Year Research-status Report
医療保育士の医療職種との協働を推進する医療保育士の専門性に基づく養成課程への提言
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19K02601
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
小島 賢子 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (00568389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大方 美香 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (80233055)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多職種との協働 / 子どもの療養環境 / 専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の成果として1.保育士の養成課程におけるカリキュラムを基盤とした医療保育士の展開カリキュラムが必要であること。2.医療保育士が発する保育の専門性を多職種に浸透させるために医療保育士の協働するという意識についてインタビューを実施し明確にすることが挙げられた。そこで2020年度は、半構成的面接法によるインタビューを実施することを計画した。論文を検討した結果、宮城県、兵庫県、静岡県、大阪府の子ども専門病院における医療保育士、療育支援員を対象者にするということを研究協力者とともに明らかにできた。 しかし、人選と承諾手続きを進める予定であったが、コロナによる感染拡大が引き起こされたために、対面によるインタビューが実施できなくなった。面談するという方法を対面以外の電話およびインターネット通話による面接方法に変更することを余儀なくされた。そのため、急遽、電話およびインターネット通話での実施のために必要な録音機器の手配や承諾の方法、倫理的配慮の確認等の準備が遅くなり調査研究が実施できず、今に至ることとなっている。 そこで、論文の検討を再度行ったことで、問題の存在を明らかにすることができた。それは、1.看護師と医療保育士のとらえる協働の認識の違いがあり、両者の専門性による子どもを中心とした協働ができていないことである。つまり、小児看護のケアと保育の発達や遊びの展開という協働ができていないということである。2.子どもの到達すべき目標を共有していないことである。それは、治療に向かう子どもの今後を共有できていないことと言い換えることができる。つまり、小児看護の目標は子どもの最善の利益を追求しながら子どもを支援することであるが、保育は子どもの日常の世界をいかに非日常の世界でそれを、体験させるのかということである。子どもの今後を考えるための共通の言葉が必要となることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由はコロナ禍によって研究方法の手段の変更を余儀なくされたことである。当初、半構成的面接法によるインタビューを行い、質的研究を行う予定であった。研究協力者と、論文を検討した結果、対象者の選別は宮城県、兵庫県、静岡県、大阪府の子ども専門病院における医療保育士、療育支援員を対象者にするということを研究協力者とともに明らかにできたが、実際に対象者を選別しお願いする予定の時期に、コロナ感染症の感染拡大に伴い現地での対面の面接が実施できないことになった。そのため、インタビューの実施ができなかった。電話での録音の方法や機器の使用法、インターネット通話の有効性などの確認が必要であり、倫理審査に間に合うことができなかった。 次に、医療保育士のためのカリキュラムが見受けられなかったことで、保育士養成カリキュラムの内容の確認と保育の専門性についての文献に時間を要した。また、看護師と医療保育士の協働ということに対する認識の違いがあるというがわかり、協働するということはどういうことであるのかという再度論文を検討することの必要性があったため、準備段階で時間を要してしまったと考える。 また、調査方法の変更に伴い、方法の有効性の検討や機器の調達の必要であったことも実施できなかった要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の論文の検討によって、「協働」というキーワードにいきあたった。看護師と保育士から考える、何をどのように「協働」していくのかという観点だけではなく、子どもを中心とした、子どもが自己治癒力を発揮できるようにするための支援を行う「協働」という観点を新たに付け加えて、インタビューガイドを作成したのち、面接を電話及びインターネット通話を行う予定である。「協働」のためには、看護師、保育士での共通の言葉が必要となるのではないかという仮説を考え、質的研究を行う予定である。その共通の言葉(知識)が、カリキュラムに反映されるべきなのではないだろうか。 その後、論文の文献レビューとインタビューで明らかになった結果を分析したものを学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
使用額が生じた理由として、カリキュラム検討するための視聴覚教材の購入した。また、コロナ禍にあって、研究代表者と研究分担者、研究協力者の一同が密になって会議ができず、さらには頻回に対面での研究会議を持てないことによって、調査結果の分析や研究会議が滞るのを防ぐため、PCを購入した。 使用計画については、前年度できなかったインタビューの調査を開始する。そのための、研究協力者への諸経費と対象者への謝金を計画している。さらには、コロナが収束した場合はHSPを養成している静岡県立短期大学を見学する予定にしている
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