2022 Fiscal Year Research-status Report
医療保育士の医療職種との協働を推進する医療保育士の専門性に基づく養成課程への提言
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19K02601
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
小島 賢子 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (00568389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大方 美香 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (80233055)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療保育士 / 専門性と役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2022年度の研究は、2021年度で行った文献検討(学術雑誌に発表済み)によって明らかになったことをもとに、医療保育士が考える専門性と役割について、現任の医療保育士のインタビューから医療保育士の役割と専門性への考え、および、多職種者とのコミュニケーションのあり方、工夫についてどのように行われているのかを明らかにすること。また、医療保育士自身が受けた保育士養成課程についてと、医療保育士養成課程への意見、要望についても明らかにし、医療保育士養成への課題について示唆を得ることを目的に12名の医療保育士を対象としてインタビューを行った。対象者の選定は、医療保育士を5年以上経験し、かつ、職場は小児専門病院とした。また、小児専門病院は5都道府県より選抜した。コロナ感染による活動の制限のがあったため、インタビューは、電話およびWEB会議システムZOOMを使用した。インタビューの内容を逐語録に起こした。 内容を概観すると、専門性と役割について、医療保育士は看護師および多職種より、医療ケアを行わない職種として子どもと家族へかかわることによって、①子ども本来の姿や頑張りを引き出すことができていること、②家族のニーズや相談にかかわることができること、保育士として③遊びの技術を通して、非日常の生活を日常の生活に近づけることができること、④きょうだい支援にかかわることができることなどが明らかになった。多職種との協働については、①多職種との理解が進むことで、子どもの情報を期待されていること、②看護師との協働では専門性の違いがあり、そのことでより良いケアが実践できること等が明らかになった。そして、保育心理学や保育の技術が参考になっていることや、保育所での経験が今に役立っているという意見もあった。 以上が今年度の結果である。今後、簡易版グランデッド・セオリーによって、包括的な理論を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討を行ったことで、研究対象者の選定する基準を年度の初めに考えることができた。しかし、研究対象者の紹介をお願いしたところから、紹介するための規定がないと断られたために、対象者の選定が遅れてしまった。これは、研究者が、認識が不十分であったことや説明が不足であったことに起因していると反省している。特に、コロナにより活動制限があったため、研究計画書を郵送した後の説明が電話対応となったことも不十分であったと考える。 そこで、研究対象者を直接病院の関係各位から依頼の承諾を取り、依頼するという方法に変更を余儀なくされたため、より遅れることとなった。ただ、病院の研究に対する受け入れは協力的であったことで、12名の医療保育者の方々のインタビューができた。しかし、病院の倫理委員会の結果が出てからの研究の承諾となったことと、研究対象者と研究者の双方の日程調整が必要であったため、年度後半から翌年の3月まで、インタビューが遅れる原因となった。 インタビューについては、研究対象者の協力を得られることとなり、非常に貴重なインタビューができた。研究対象者の選定については、十分な準備をしたうえで、どのような事態となっても対応できるという時期を考えたうえで承諾を得るようにすることが重要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、インタビューで得た逐語録を簡易版グランデッド・セオリーの方法を用いて、分析し、包括的な理論の生成を行う。その際にメンターからの指導を仰ぎながら、客観的な結論を引き出す。また、結果によっては新たなデータを用いる可能性もある。なお、新たな理論の生成ができない場合は、分析方法を変更する必要がある。いずれにしても、研究目的である医療保育士の専門性と役割を明らかにし、多職種との協働について方向性を示唆できるよう結論づけたい。さらには、養成課程への提言についてカリキュラムの専門の研究協力者とともに明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究協力者と共にデータの分析を行うため、研究協力者に旅費が発生する。および、共同で使用する研究備品を購入する。また、当初、計画をしていた海外への医療保育の視察がコロナ感染や他の感染状況がどのようになるか不明であるため、急遽国内に変更し、医療保育士へのインタビューをお願いした小児専門病院へ行くことを考えている。これは、医療保育の現場の確認と、実践場面を見学することによって、分析結果への良い知見を得るためである。また、資料保存のための消耗品を購入する予定である。
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