2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02602
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
遠藤 晶 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (30353006)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 幼児 / 共感的相互作用 / 身体表現遊び / 指導法 / 「気づき」と「対応」 |
Outline of Annual Research Achievements |
共感的相互作用を重視した身体表現遊びの指導には、保育者が幼児一人の表現だけでなく他の幼児とのやりとりに気づいて「対応」することが必要になる。本研究では、幼児同士の多様な表現を、よく見て理解したり感じたり考えたりすることを「気づき」として捉える。保育者の「気づき」を客観的に捉えるために、ウエアラブルアイカメラを用いて視線軌跡や注視時間及び音声を記録する。共感的相互作用を高め楽しく身体表現遊びの指導ができるベテラン保育者の「気づき」と「対応」を明らかにし、その方法を若手の保育者が学ぶことで、若手保育者も「気づき」と「対応」の指導力を向上させることができるかを検証する3年間の研究を行う。 2019年度は、視線軌跡や注視時間及び音声記録から保育者の「気づき」と「対応」の分析が可能かTobii Pro グラス2 50を用いて調査方法と解析方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、ウエアラブルアイカメラTobii Proグラス2 50(トビー・テクノロジー株式会社)によって得られた被験者の視線軌跡や注視時間及び音声記録を、リプレイ再生機能を使うことで、どこに注目していたかを時系列に示すことができ、被験者が具体的場面に沿った振り返りができることがわかった。音声記録からも被験者の「気づき」を言語化することができた。 また次年度に予定している保育現場での予備調査として、幼児の身体表現遊びの記録画面を観察する調査を行った。①画面視聴中の視線記録と音声記録、②画面視聴直後の音声記録、③リプレイ再生中の音声記録が可能であり、ベテランと保育学生・若手保育者を対象に行った調査から、音声記録の内容分析により「気づき」の内容の比較検討の観点が示唆され、研究はおおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、保育の現場で、幼児の身体表現遊びについてのベテラン保育者と若手保育者に「気づき」と「対応」の違いを明らかにする調査を予定している。調査は幼稚園で実施する予定である。保育者には保育中にウエアラブルアイカメラを装着してもらい、視線軌跡や注視時間及び感じたことなどのつぶやきなどの音声を記録する。分析は、何をどう見ているかに着目し「気づき」のポイント①幼児が表現した内容や遊びへの「気づき」、②参加しにくい幼児への「気づき」、③共感的相互作用による表現への「気づき」、④遊びの展開、表現のおもしろさへの共感・「気づき」、⑤被験者自身の受け止め、楽しい・面白いなどの感性情報の観点から分析を行う。研究分担者・研究協力者により研究を進める。解析ソフトを利用して視線の詳細な分析を行う。分析には幼児の身体表現遊びに詳しいリズム表現研究会のメンバーに協力を得る。 2021年度は若手保育者の身体表現遊びに対する「気づき」と「対応」の向上のため、保育カンファレンスを行う。ベテラン保育者・身体表現の研究者も含めた振り返りを行い、若手保育者の指導力向上を検証する。
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Causes of Carryover |
2019年度研究で利用予定のであった解析ソフト(Tobii Pro ラボ アナライザー)の契約をしなかったため191千円が未使用となっている。2020年度は視線の詳細な分析のための解析ソフトの利用に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)