2022 Fiscal Year Research-status Report
地域の子育て支援人材と学生の子育て支援能力の育成を目指す教育プログラムの確立
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19K02606
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
笠原 正洋 中村学園大学, 教育学部, 教授 (10231250)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 模擬養育者(SP) / プログラム開発 / 事前学習 / 探求的学習 / 子育て支援従事者 |
Outline of Annual Research Achievements |
探求的学習に基づいて,保育者を志望する学生と地域の子育て支援者を対象に,子育て支援の知識と実践力の基礎を育成するプログラムコンテンツを,事前学習と模擬養育者(SP:Simulated Parent)との対話実習により教授する効果を検討した。令和4年度はプログラムコンテンツを縮小し,SP対話実習の回数も6回に縮小し,過去のプログラムの効果が維持・向上するかを検討した。また学生・子育て支援者双方にとってのSP対話実習の意義を自由記述から明らかにした。対象者は授業「子育て支援」を受講した保育系学生66名とSP9名である(内訳は地域子育て支援拠点事業従事者4名,元保育者2名,地域支援(地域での居場所作りや放課後事業,養育支援訪問事業従事者)3名)。結果として,SP対話実習の回数を最低限にしてもプログラムの効果が維持・向上されたことが示された。学生の相談観尺度の実習前後の検定結果から,相談に際して助言を与えるという相談観が有意に低下し,保護者の自己決定を重視する解決構築の相談観に変化していた。これは過年度のアセスメント結果と同様だった。また,子どもの個別支援計画の達成度をルーブリック評価により到達目標を達成した人数と割合を残差分析により検討した結果,令和元年度が有意に少なく令和4年度は有意に多いことが示された。SP対話実習の意義(自由記述)に関して,学生たちの記述から,カテゴリ【2.対話実習が有する特性】の「SPや実際のケース対応に伴う集中・緊張感(22件,33.3%)はSP対話実習特有の表現であり,この【2.対話実習が有する特性】を起点として,【1.SPが有する特性】が学生にとって重要な意味を持ち,【3.保育者役・参観者学生双方に対する効果】,【4.保育者役学生が抱くメリット】や【5.参観者学生が抱くメリット】がもたらされたと考えられた。SPからも同様の評価が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果発表が遅れている。早急に研究成果公表を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の効果が維持されるか改めて再検証する。また模擬養育者の交代があることから,模擬養育者に対する面接調査も改めて実施する。さらに保育者養成校の教員への調査も実施し,最終的なプログラムの確立を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により模擬養育者(SP)対話実習の実施ができなかった年度のキャッチアップを行う必要があった。令和4年度の効果の安定性を再検証して確認するためである。
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