2023 Fiscal Year Research-status Report
医療型重症心身障害児入所施設における保育士の職務継続支援や教育プログラムの検討
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19K02619
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
川合 美奈 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (10515919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木浪 智佳子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (40347183)
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療型重症心身障害児入所施設 / 保育士 / 専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,前年度実施の量的調査の分析を進めた.データは,医療型障害児入所施設の保育士を対象としたものであったが,保育対象や施設特性が混在してしまったため,医療型重症心身障害児入所施設では実際にはどうであるかを,2024年1月にエキスパートインタビューを実施した.これにより,「子どもの育ちの支援は保育士の中心的な役割であり,子どもの生活支援は合同作業である.看護補助は保育士の業務範疇外であり,看護補助を担う際には,子どものためという気持ちと越権行為となる葛藤を抱く.子どもとの関わりから楽しさを得るが,喜びと楽しさは一律に一致しない.看護補助業務の多さによる保育士の役割発揮の不全感がある.入職当初は,子どもの気持ちを汲み取れたかの不安が伴うことによる接触の恐怖を抱いており,保育所保育士のように振舞う困難さを感じていた.保育士は,子どもとの関わりから楽しさを得る.やりがいは自己成長や満足感を高めるために必要な要素である.協働ゆえの時間裁量のなさや保育士の活動を阻む業務分担により,保育士として子どもと接する時間の少なさを感じている.他職種には保育士の専門性に対する理解不足があり,保育士は存在意義のゆらぎを感じる.保育職間でも保育観の相違があり,療育活動の振り返りの必要性を感じている等」といった結果が得られた. 2023年6月に第70回日本小児保健協会学術集会にて「医療型障害児入所施設と医療保育士の専門性に関する文献検討-保育所保育士の専門性と比較して-」の発表を行い,論文が採択された. 2023年12月には「医療型重症心身障害児入所施設の保育士が認識する業務内容と関連する感情 -楽しさ・やりがい、大変さ・困難さに着目して-」が保育学研究61(2)に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
結果を補完するために,エキスパートインタビューを追加し,実施したため
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Strategy for Future Research Activity |
必要なデータの収集が完了したので,当初の予定通り,教育プログラムの検討を進めていく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,予定していた会議や学会参加の多くがオンラインであったため,経費の使用が減った. 2024年度は,教育プログラムの検討に入るため,プレ調査や調査先への説明の際に使用する機器の購入に充てたい.
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Research Products
(2 results)