2019 Fiscal Year Research-status Report
保育学生の子どもへの視点と記述の変化:映像/文章素材による検討
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19K02620
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
大神 優子 和洋女子大学, 人文学部, 准教授 (40452031)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育者養成 / 子ども理解 / 映像 / 文章 / エピソード |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度となる2019年度は、次年度以降の準備として、本調査で提示する映像/文章素材の検討・作成及び対人認知特性の調査を予定していた。 素材の検討のため、本調査と同じ実習前の保育学生に対して映像/文章素材で3歳児のいざこざ場面のエピソードを提示する調査を実施し、①子どもへの評価、②保育者への評価について、それぞれ分析した。 子どもへの評価を映像/文章素材で比較した結果、どちらの媒体で提示されたかで子どもの印象(性格特性・社会的スキル・問題行動から定量化)が異なっていた。さらに、その後に同じ場面を別媒体(例:1回目映像素材、2回目文章素材)で提示されてもその印象は維持される傾向があるが、別場面を提示した場合には修正されうることが明らかとなった。これらの分析結果は雑誌論文に発表した(論文1)。 また、素材の特性を多角的に検討するため、保育者への評価についても映像/文章の素材を比較した。その結果、映像素材の提示後に文章素材を提示しても保育者への評価は変化しないが、文章素材の提示後に映像素材からの情報が追加されると学生の保育者に対する評価が変わり、映像素材からの情報が優位であることが示唆された。これらの分析から、文章素材を作成する際の留意点・課題が明らかとなった。さらに、初学者が映像からの情報を十分に活用するには、文章素材での予め枠組を作っておくことが有効であることが示唆された。これらの結果は雑誌論文に発表した(論文2)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度以降の本調査のため、素材の検討は概ね順調に進行しており、いくつか見出された課題も解決の目処が立っている。 一方で、本年度予定していた対人認知特性の調査については、予備調査の結果、修正・変更の必要が生じたため、完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度変更が必要となった特性調査については、本調査に影響を与えるものではないので、次年度以降に再検討して実施する予定である。また、新型コロナウイルスが調査期間に影響する可能性が出てきているが、当初予定の調査期間を柔軟に変更し、対応していく予定である。
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Causes of Carryover |
報告時点で発注中の物品があるため、次年度に繰り越している。
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