2020 Fiscal Year Research-status Report
保育学生の子どもへの視点と記述の変化:映像/文章素材による検討
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19K02620
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
大神 優子 和洋女子大学, 人文学部, 教授 (40452031)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育者養成 / 子ども理解 / 映像 / 文章 / エピソード |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の今年度は、映像素材を用いて、実習前後で保育学生の子どもへの視点及び記述内容がどのように変化するかを明らかにする計画であった。しかし、実習自体が新型コロナウイルス感染症の影響で中止(次年度に延期)となったため、当該学年に対する調査内容を変更し、複数の素材と教示の検討を行った。教示によって、実習未経験者(実習前の段階)が保育場面の映像のどこに注目するかを検討した。なお、素材の選定にあたっては、保育現場経験者の助言を得た。 保育者/子どもへの注目を教示によって操作し、保育者/子どもそれぞれの、表情/声の調子/言葉の内容/立ち位置/行動への注目度を調べた。保育者に関しては、保育者に注目するよう教示した群の方が全体により注意を向けていたが、どこに注目するかは両群とも同様であり、「言葉の内容」を筆頭に、実習生自身が保育者のやり方を模倣するのにわかりやすい部分が注目されていた。子どもに関しては、子どもに注目するよう教示した群よりも、保育者に注目するよう教示した群の方が、特に子どもの行動・立ち位置について、より注意を向けていた。また、両群とも子どもの「行動」に主に注目していた。 予測がつきにくく、言語的な情報が乏しい年少児の保育場面では、初心者では子どもよりも保育者に注目した方が、子どもとあわせて観察しやすいことが示唆された。これらの結果は、次年度以降の調査時の素材・教示に応用する。結果の一部は論文で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画では2020年度から、実習前後の変化の調査を開始する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年度に予定していた実習が中止(2021年度に延期)となったため、併せて計画を延期・修正することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度・2021年度にかけて、異なる素材の2条件について、実習前後を比較する調査を行う予定であった。2020年度の実習中止だけではなく、当面実習指導等もやり方が異なると想定されるため、2021年度・2022年度にかけて、各年度内で2条件の調査を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)実習の前後を比較する研究計画であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で実習自体が1年間延期されたため、計画全体を修正して1年分後ろ倒しにした。また、発表予定であった国際学会も延期になった。 (使用計画)計画実施・国際学会発表とも1年後ろ倒しで実施できる見込みである。
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