2019 Fiscal Year Research-status Report
図形の大きさの比較に関わる認知機能の発達過程に関する縦断的研究に基づく教材開発
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19K02628
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
河崎 雅人 帝京科学大学, 教育人間科学部, 客員研究員 (00261115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 友子 帝京科学大学, 教育人間科学部, 教授 (00722505)
森田 泰介 東京理科大学, 理学部第二部教養, 教授 (10425142)
杉本 信 帝京科学大学, 教育人間科学部, 准教授 (30580419)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大きさの比較 / 発達 / 幼児教育 / 算数教育 / 縦断的調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の予備実験として行っている「描画図形に基づく幼児の大きさの比較方略に関する縦断的調査」を実施するとともに、2020年度から実施する調査で使用する機器の開発を業者と協力して行った。機器については、2020年3月に納品されたが、現在再調整を行っているところである。予備実験の分析からは以下の知見を得た。 ・面積の比較に関しては、縦長の長方形を提示し、提示された図形より大きな図形を描く課題3では2018年12月の正答者数は減少した。縦長の長方形より大きな図形を描く課題では、提示された図形より縦を長く描いた園児の数に変化はなかったが、横を長く描く園児の数が減少した。 ・縦長の長方形より大きい図形を描くときは横の長さを、小さい図形を描くときは縦の長さを大きく変化させる。 ・3歳児では横に着目し、横の長さを変化させることにより大きさを変化させているが、加齢とともに、縦の長さにも着目するようになる。 これらの結果については、2017、18年に実施した調査の結果を「2020年度数学教育学会春季年会(3月16日から3月17日)」で発表し、2017年から19年に実施した調査の結果をプラハで開催されるICP(International Congress of Psychology )2020にポスター発表の申し込みをし、採択された。しかしながら、両学会とも「COVID-19」感染防止の観点から中止及び延期となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の予備実験として行っている「描画図形に基づく幼児の大きさの比較方略に関する縦断的調査」は3年間にわたる縦断的調査が終了し当初の予定通りに進捗している。 この結果については、すでに1つの学会で発表し、7月の国際学会で発表予定である。今後は、論文誌に投稿する論文を執筆し、投稿する予定である。 本研究課題に必須の視線計測装置の調整が遅れている。 2018年度より、開発業者と打ち合わせを行い、既存の装置を幼児向けの仕様に変更可能かについて検討を重ねた。併せて、我々が予備研究で開発した実験に必要なソフトの組み込みについても調整・検討した。 2020年3月に一旦納品され、実際に機器を用いて、幼児を対象とした測定における問題点の洗い出しを行った。このままでも使用可能ではあったが、さらに、キャリブレーションやソフトウェアの設定、データの保存方法を改善することになり、現在再調整・ソフトの修正を行い、6月には完了予定で、7月より調査ができる予定である。現在、本研究に協力する幼稚園・小学校との調査日程等の調整を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象者もほぼ確保し、また、実験補助者も決定しているので、視線計測装置の調整がすめば、6月より調査を開始し、3年間にわたって、年2回に調査することができる。装置の調整の見通しも立っているので、今後、本研究は順調に進捗すると考えている。当初、6月、12月に調査する予定であったが、本研究に協力する幼稚園や小学校の再開状況により、1か月程度遅れることも想定している。
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Causes of Carryover |
視線計測装置のソフト改修費用が増える見込みだったので、前倒し請求額を多めに申請した。しかし、実際の請求は当初の見積もりと同額だったため、次年度使用額が生じた。この差額は、実験補助者の増員、及び、調査協力者に対する謝金などに充当する。
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Research Products
(1 results)