2021 Fiscal Year Annual Research Report
図形の大きさの比較に関わる認知機能の発達過程に関する縦断的研究に基づく教材開発
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19K02628
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
河崎 雅人 帝京科学大学, 教育人間科学部, 客員研究員 (00261115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 友子 帝京科学大学, 教育人間科学部, 教授 (00722505)
森田 泰介 東京理科大学, 理学部第二部教養, 教授 (10425142)
杉本 信 帝京科学大学, 教育人間科学部, 准教授 (30580419)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大きさの比較 / U字型発達曲線 / 幼児教育 / 算数教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に関連して「描画図形に基づく幼児の大きさの比較方略に関する縦断的調査」を実施した。その結果はプラハで開催されるICP(International Congress of Psychology)2020のポスター発表に採択され、2021年7月にオンライで発表した。さらに、日本教育工学会論文誌に投稿、採択され「日本教育工学会論文誌」45巻第1号に掲載された。これまでに得た知見は以下の通りである。 比較判断能力の変化については,提示図形より大きな図形を描く課題の正答者数は一旦減少したが,U字型の発達曲線になったと考えることができるかどうかは不明である.判断方略については,加齢とともに違いが認められた.4歳から6歳にかけては,横に着目し,その後,縦にも着目するようになるが,横と縦を独立して広さを1次元で判断し,6歳後半から横と縦を総合して2次元では判断するようになることがわかった.さらに,5歳が一方向から二方向に着目するようになる変化の時期であることが示唆された. 今後の課題としては,次の2点がある. 本調査では図形描画時に着目する部分が加齢により変化することを示唆する結果が得られたが,この知見の妥当性を検討するために,今後は,分析の対象となる人数を増やして統計的な分析を行う必要があるとともに,図形描画時の視点を測定し幼児が着目している部分がどのように変化するのかを直接的に明らかにすることが望まれる.また,本調査では実験課題の実施順序が常に固定であったため,実施順序が成績や方略に影響している可能性があることから,今後は実施順序のカウンターバランスを行う必要があるとともに,本調査では,横長の描画領域を用いたが,縦長の描画領域を用いた調査も必要である。 また、本研究課題で使用する機器の開発を業者と協力して行い、2021年6月に完成した。完成した機器を用いて測定の練習を行い、本研究課題で使用可能であることが確認できた。
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Research Products
(4 results)