2021 Fiscal Year Research-status Report
Building Administrative Organization for Child-Friendly Policies and Programs in Cities
Project/Area Number |
19K02630
|
Research Institution | Aichi Sangyo University |
Principal Investigator |
高木 清江 愛知産業大学, 造形学部, 准教授(移行) (00387870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 努 愛知産業大学, 造形学部, 教授(移行) (30288568) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 子ども(こども) / 子どもにやさしいまちをつくる都市の施策 / 施策実施率 / 施策実施数 / 成果達成率 / 施策の総合性 / 施策展開 / 施策統合・調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもにやさしいまちをつくる都市の施策(施策、事業、施設整備とその運営など)の総合性実現にあたり課題となる施策統合上の課題、必要性および方策を明らかにすることを目的とするものである。令和3年度(第3年度)には、都市の施策の実施状況(施策実施の有無、施策実施数、成果の有無)の整理にもとづく施策統合の手順の検討を行った。施策実施状況は、子どもに関わる施策の質を高め、子どもにやさしいまちをつくる都市の施策として全国の都市に広げるにあたり基礎情報となるものであり、施策項目の分類および子ども・子育て支援関係の施策項目の種別(主要な施策項目とその他の施策項目)は施策実施率、施策実施数平均値、成果達成率などにより記述される施策実施状況、都市差、施策実施状況記述指標の構成、施策項目の類型と深く関わることなどを確認した。あわせて、その整理より、施策成果よりみた親近性評価にもとづく施策展開性が高い施策項目の組み合わせを抽出することができた。施策実施率、成果達成率が高く、施策実施数平均値が大で、子ども部等の子ども関係統合部局が所掌することが多い施策項目(子ども・子育て支援関係の主要な施策項目)を施策展開の起点とすれば、他の施策への施策展開が進めやすく、施策統合につなげられると考えられる。また、最終年度(来年度)の報告作成準備として、令和2年度に基本的とりまとめを完了した施策統合上の課題、対応方策(アプローチ)、施策統合のモデルの成果に加え、子どもにやさしいまちをつくる都市の施策の領域、施策評価と関わる都市記述指標の類型、施策評価要因、成果評価および施策実施数拡大よりみた子どもにやさしいまちをつくる都市の施策の展開性に関する各論の詰めを行った。施策評価要因に関しては、満足度評価データの試行的分析を行い、施策満足度評価の要因分析の手法と要因解明の可能性の確認を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもにやさしいまちをつくる都市の施策の総合性実現にあたり課題となる施策統合上の課題、必要性および方策を明らかにするため、都市の施策の実施状況(施策実施の有無、施策実施数、成果の有無)の整理にもとづく施策統合の手順をこれまでに検討することができた。すなわち、施策実施率、成果達成率が高く、施策実施数平均値が大で、子ども部等の子ども関係統合部局が所掌することが多い施策項目(子ども・子育て支援関係の主要な施策項目)を施策展開の起点とすることにより、他の施策への施策展開を進め、施策統合につなげられることを見出すことができた。施策展開にあたっては、施策成果よりみた親近性評価にもとづく施策展開性が高い施策項目の組み合わせへの着目が可能である。さらに、最終年度(来年度)の報告作成準備として、令和2年度に基本的とりまとめを完了した施策統合上の課題、対応方策(アプローチ)、施策統合のモデルの成果に加え、子どもにやさしいまちをつくる都市の施策の領域、施策評価と関わる都市記述指標の類型、施策評価要因、成果評価および施策実施数拡大よりみた子どもにやさしいまちをつくる都市の施策の展開性に関する各論の詰めもなされている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度(研究最終年度)は、成果をとりまとめ、点検、検証し、最終報告書を作成する。そのための新たな課題は5項目とする。 第1に、施策項目の階層構造(類型)を施策実施数の多変量解析により解明し、子どもにやさしいまちをつくる都市の施策は、子どもの権利等の制度的位置づけや子ども・子育て支援の各種施策のみでなく、児童館・あそび施設の整備、子ども文化等の体験活動など広範な領域に及んでいて、その統合が課題となることを確認する。 第2に、都市記述指標を多変量解析手法により系統的に分類し、子ども関係統合部局の設置の有無、子どもに関わる施策等への取り組みの特徴、施策項目別施策実施数、市の環境の評価などとの関係を検討する。都市記述指標との関わりが深いことが確認された施策評価(施策満足度)についてはより詳細な分析を行う(後述)。 第3に、子どもにやさしいまちをつくる都市の施策のよさの計測とその要因の解明を目的として、施策満足度に関する一連の解析を行う。要因分析では、多変量解析を適用し、評価要因の構造を都市種別に比較検討する。 第4に、都市の施策を構成する施策項目の施策展開性上の特性解明を目的として、施策成果相関係数および施策実施数相関係数により記述される施策項目相互の統計的親近性をもとに施策項目別の施策展開性を計量的に評価する。施策統合にあたっては、施策展開性が高い施策項目の組み合わせを選択的あるいは優先的に検討するとよく、施策項目間の統計的親近性にもとづく施策展開性の評価は、このような検討を効率的に進める上で有用な指針となる。 最後に、施策統合上の課題、必要性および方策の特徴、相互関係、類型などを詳細に分析し、施策統合をめざす行政が取り組むべき主要課題に対してどのような行政施策上の対応方策(アプローチ)が選択できるか検討する。
|
Causes of Carryover |
補助事業の目的をより精緻に達成するための研究(追加の分析、論文投稿など)の実施が必要となったため、補助期間を1年間延長した。研究経費は、主に、今後の研究の推進方策として上げた5つの課題(子どもにやさしいまちをつくる都市の施策の領域、施策のよさの計測とその要因の解明など)の論文作成のための人件費、印刷・コピー代及び論文投稿・掲載費として使用する予定である。
|