2020 Fiscal Year Research-status Report
A longitudinal study for the individual differences in phonetic discrimination in infancy and language development in childhood.
Project/Area Number |
19K02636
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山根 直人 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 専門職研究員 (60550192)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳児 / 言語発達 / 個人差 / 音韻弁別能力 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、言語発達の初期段階に見られる乳児期の音韻弁別能力の個人差を生む要因の詳細な検討と、幼児期の言語運用・コミュニケーション能力との関係性を解明することを目的としている。特に本研究では、乳幼児期の言語発達を生理‐行動‐親への質問紙という異なる側面から検討するのみではなく、乳児期から幼児期へと月齢縦断的に検討することで、さらに多次元から乳幼児期の言語獲得・発達のメカニズムの解明に迫る。そのために1.乳児期の音韻知覚処理における個人差要因の詳細な解析と2.面接法と親への質問法を用いた言語運用能力とコミュニケーション能力の測定と1との関係の検討を行う。 本年度は1.について、縦断データ解析の従属変数となるMCDIを用いて測定された18,20ヶ月児の語彙能力の解析と家庭環境の相関分析、またストレス耐性実験で得られた10ヶ月児の行動、生理指標測定との相関解析を中心に行った。前年度に明らかにした、語彙能力とSES(Socio Economic Status)との無相関に加え、我が国の20カ月児の語彙数を予測する社会的要因として、母親の就労状況(就労中、育休中、専業主婦)が関係していることが明らかとなった。興味深いことにこれは、乳児が保育園に通っているかどうかという要因とは独立していることから、入力の多様性から説明できることとは考えにくく、親の就労形態の差異における家庭環境が関係していると推測される。この解析結果は2020年度に開催された国際学会ICISにて発表された。 2.についてはコロナウィルスによる影響から面接法を行うことは中止し、郵送による質問紙法のみを実施した。本年度で概ね縦断研究に参加してくださった対象家庭からの回収を終了できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で示した通り、1.の取得済みの縦断データについては解析が進み、得られた結果を国際学会で発表を行った。また、この結果を現在国際学術雑誌に投稿すべく草稿を執筆中である。2.についても面接法は中止したものの必要な質問紙データについては取得し終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で本研究において必要なデータの取得はすべて終了した。今後は本年度得られたデータの解析を行うとともに、より詳細に各月齢時の実験データとの相関分析を進めていく。特に5ヵ月、10ヵ月時に取得したデータの下処理が終了し、本格的に相関解析を開始している。得られた結果を順次国際学会、論文として発表してく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は予定していた海外出張および国際学会が新型コロナウィルスの影響で中止、またはオンライン開催となったため、旅費として計上していた予算が執行できなかった。現在のところ見通しが立っていないものの、次年度は国際学会への参加と本年度実施できなかった研究打ち合わせのための海外出張を予定している。
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Research Products
(7 results)