2021 Fiscal Year Research-status Report
The creation of a database of teacher-children and children's peer interactions in Japanese daycare centers and the investigation of children's communicative development
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19K02641
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
深田 智 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (70340891)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 集団保育・集団教育 / インタラクション / ことば・うごき / 発達 / 信頼 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、集団保育・集団教育という環境の中で、子どもたちがどのようにしてことばとうごきをはじめとする自身のインタラクション手段を発達・調整し、多様な他者とのインタラクションを可能にしているのか、また、そこにどのような発達的な変化がみられるかを、実地調査も行いながら明らかにすることを目的としている。令和3年度は、研究代表者が継続して行っている子どもたちを対象とした身体表現活動セッションを11月に実施して経年データを採取するとともに、これまでに自身が採取したデータに新たな分析や更なる考察を加え、論文や書籍の一部として発表した。具体的には、令和2年度に採取した身体表現活動セッションのデータを、信頼感の構築という観点から間身体性やことばがけなどに注目して検討を加え、その論考を書籍に掲載するとともに、その内容を人どうしのコミュニケーションの進化・発達に関する先行研究とも関連づけて再考し、言語系の研究会で口頭発表した。また、CHILDESデータベースから採取した英語データに関する自身の研究や育児日誌等の事例を、ことばとうごきと環境の相互関係という観点から再考し、その内容を共同執筆した書籍の担当章の中に組み込んだ。さらに、これらの研究で得られた知見は、関連分野の研究者との共同研究の進展を促し、学会発表やジャーナルへの論文掲載へとつながった。加えて、人の発達や進化、言語獲得やインタラクションの実践に見られる文化差などに関する話題が提供される学会や研究会、講演会やセミナーには可能な限り出席して知見を広げ、共同研究者であるスポーツ科学、幼児教育、AI研究、認知心理学の専門家とはもちろん、文化人類学や異文化間コミュニケーション等の専門家とも積極的に議論を重ね、人どうしのインタラクションの発達や変化、促進等に関する考えを深める機会を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大・蔓延を受け、保育園や学童といった集団保育・集団教育の現場でのデータ採取は実施できず、また、最終年度に行う予定であった検証実験もできなかったが、これまでに採取したいくつかのデータの分析とその考察をもとに、研究成果を書籍や論文にまとめることができた。また、その成果の一部を口頭発表したことで、研究の意義を再考し、今後の研究の方向性を整理することもできた。加えて令和3年度も、1度だけではあるが子どもたちを対象とする身体表現活動セッションを実施することができ、これまでのデータとの比較を通して、ことばとうごきを介した他者とのインタラクションの変化に見られる子どもの成長を観察することができた。さらに、人のことばやうごき、進化や発達、インタラクションの文化差等が関わる学会や研究会等には可能な限り出席して自身の知見を広げ、共同研究を行っている研究者や関連分野の専門家とはオンラインあるいは対面でディスカッションの機会を持ち、互いに知見を提供し合う中で、本研究の意義や方向性を確認・修正することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、子どもたちを対象とする身体表現活動セッションを行い、その経年データを採取するとともに、新型コロナウイルス感染症が収束次第、保育園や学童などの集団保育・集団教育の現場でのデータ採取を再開する。集団保育・集団教育の現場でのデータが採取可能となった場合には、子どもたちのインタラクションに見られる年齢差を観察するとともに、養育者と子ども(たち)あるいは子ども同士のインタラクションにおけるコロナ禍以前と以降の変化などについても検討を加える。また、この種のデータを得ることが難しい場合には、身体表現活動セッションを中心に、これまでに採取したデータの書き起こしとアノテーションを引き続き行い、ことばでのやりとりとともに、接触の仕方や距離の取り方などといった間身体的なやりとりや信頼感の形成、共通基盤の構築などにも注目して研究を進める。さらに、CHILDESデータベースや育児日誌等からのデータも分析対象とし、子どものインタラクション手段の変化や調整の実態を、ことばとうごきという2つの表現手段の多様化とその割合の変化という観点から分析する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した主な理由は、令和2年度同様、新型コロナウイルス感染症の拡大・蔓延に伴い、参加を予定していた国内外の学会や研究会がほぼすべてオンライン開催となり、保育園や学童等での実地調査ができず、また、子どもたちを対象とする身体運動セッションも1度しか実施できなかったことにある。そのため、予定していた旅費が不要となり、調査や実験の協力者や補助者に対して支払う謝金も予定していた額よりも大幅に少なくなった。 令和4年度は、引き続き学会や研究会等に出席し、口頭発表等も行いながら、研究の進展と新たな視点の獲得を目指す。また、新型コロナウイルス感染症が収束次第、保育園や学童等での実地調査を再開し、身体表現活動セッションも引き続き実施する。これらが実現できなかった場合には、これまでに採取したデータの分析、CHILDESデータベースからのデータの採取、複数のデータ間の比較などを行い、共同研究者や関連分野の研究者、集団保育・集団教育の実践家とも積極的に意見交換しながらその議論を深め、英文ジャーナルへの投稿等に向けて成果をまとめる。以上のように、令和3年度に生じた未使用分は、学会・研究会等への参加費や参加旅費、研究協力者や研究補助者への謝金、情報提供者(関連分野の研究者や集団保育・集団教育の実践家など)への謝金、英文校閲料などに有効活用する。
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Research Products
(7 results)