2020 Fiscal Year Research-status Report
A Research Study on the Current Situation and Related Issues of Value-based Education in German and Japanese Preschools.
Project/Area Number |
19K02644
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
船越 美穂 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80263987)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ドイツ / 価値教育 / 哲学 / 多言語絵本 / 移民の背景 / 母親 / 保育実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はドイツと日本の保育施設における価値教育について、両国のカリキュラム、保育実践、教材や児童文化財、保育関係者へのインタビューの分析によってその実際と課題を明らかにすることである。2020年度の当初の計画はドイツと日本の保育施設でのフィールドワークによって、価値教育に関連した保育実践、教材、児童文化財を収集し、インタビューを行うことであった。しかし、2020年度は世界的なコロナパンデミックによって、計画していたドイツの保育施設でのフィールドワークを行うことができなかった。日本の保育施設におけるフイールドワークについては、コロナ禍の影響によって、神奈川県、大阪府の保育施設では実施することができなかった。 上記の現実を踏まえて、2020年度の研究では、2020年7月から2021年3月の間に、福岡県の複数の保育施設でフィールドワークを実施して、保育実践の収集を行なった。さらに教材や児童文化財の収集、及び関係者にインタビューを行った。これらの成果については、2021年度の神奈川県、大阪府、及びドイツの保育施設に対するオンライン調査に関連づけて分析を行うことを計画している。ドイツの価値教育に関する研究については、2019年度のドイツの保育施設におけるフィールドワークで収集したデータの分析によって、日本保育学会で発表を行った。さらに、2019年度以前のドイツの保育施設におけるフィールドワークやインタビューで得たデータを元に、2020年度に関係者にあらためて電子メールによる調査を行い、その研究成果を大学紀要2本にまとめた。 さらに、宗像市保育所保育士、幼稚園、認定こども園教員等研修会、及び本学附属幼稚園や他のフィールドワークを実施した保育施設において本研究における研究成果の発信を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究は世界的なコロナパンデミックの影響を受けて、当初計画していたドイツ、及び神奈川県、大阪府の保育施設でのフィールドワークを行うことはできなかった。しかし、コロナ禍という現実を比較的早い段階で受け止めて軌道修正しながら対応し、研究を進めることができた。 2020年度は緊急事態宣言解除後の2020年7月から2021年3月まで、福岡県の複数の保育施設でフィールドワークを行なった。その中で、関係者にインタビューを実施し、教材や児童文化財の収集を行なった。これらのデータは、2021年度に予定している神奈川県、大阪府、及びドイツの保育施設に対するオンライン調査に関連づけて分析を行うことを計画している。 2020年度は2019年度に実施したドイツの保育施設でのフィールドワークで獲得したデータの分析によって、日本保育学会で研究成果の発表を行った。さらに、これまで収集したドイツの保育実践に関するデータ、及び2020年度ドイツの保育関係者に対する電子メールによる調査によって、大学紀要2本に研究成果をまとめた。 また、宗像市保育所保育士、幼稚園、認定こども園教員等研修会、本学の将来幼稚園や小学校教員を目指す学生対象の授業、及びフィールドワークを実施した保育施設の保育者に対して研究成果を発信することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
世界的なコロナパンデミックは2021年度も続いているため、今年度のドイツの保育施設におけるフィールドワークの実施は延期せざるを得ない。2021年度は神奈川県、大阪府の保育施設の資料収集を行うとともに、オンラインで保育関係者にインタビューをすることを計画しており、すでに承諾を得ている。さらに、ドイツの保育施設の保育関係者にもオンラインでインタビューを実施することを計画しており、承諾を得ている。そして、2020年度の福岡県の保育施設のフィールドワークで得たデータを、2021年度に行うドイツと日本の保育施設に対する調査に関連づけて分析することが今年度の課題である。 今後の神奈川県、大阪府の保育施設でのフィールドワークについては、コロナ感染防止を最優先にして十分な条件が備わった時点まで待つ必要がある。今後のドイツの保育施設でのフィールドワークについても、世界的なコロナパンデミックの状況を勘案して、検討していくこととする。 2021年度も引き続き大学紀要によって、研究成果を発表する。また、教員免許状更新講習、本学附属幼稚園公開研究会、宗像市保育所保育士、幼稚園、認定こども園教員等研修会等の中でも研究成果を発信して、保育の質の向上に貢献できるよう努力したい。
|
Causes of Carryover |
2020年度の世界的なコロナパンデミックの影響によって、ドイツへの渡航ができなかったことが最大の理由である。さらに日本国内のコロナ感染拡大によって、フィールドワークをする予定であった神奈川県と大阪府の保育施設への出張を実施することもできなかった。 当該助成金、及び2021年度分の助成金については、2021年度に行う神奈川県、大阪府、及びドイツの保育施設に対するオンライン調査の準備、実施、テープ起こし、インタビュー分析に伴う人件費や謝金、及び関連物品の購入等に使用することを計画している。
|