2022 Fiscal Year Research-status Report
A Research Study on the Current Situation and Related Issues of Value-based Education in German and Japanese Preschools.
Project/Area Number |
19K02644
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
船越 美穂 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80263987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドイツ / 日本 / 価値教育 / 参画 / 保育実践 / 絵本 / カリキュラム / 児童文化財 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はドイツと日本の保育施設における価値教育について、両国のカリキュラム、保育実践、教材や絵本などの児童文化財、保育関係者へのインタビューの分析を行うことによって、その実際と課題を明らかにすることである。 2022年度の研究では、オーストリアの幼児教育専門雑誌の中で、ドイツとの比較を通して見た日本の保育の特徴について明らかにした。2022年10月には、ドイツ・バイエルン州の保育施設、及び保育者養成校でフィールドワークを行なって、保育実践を収集し、関係者にインタビューを行った。また、研究協力者のバイエルン州立乳幼児教育研究所のローレンツ博士、ミュンヘン大学元教授のシュペック=ハムダン博士、レーゲンスブルク市教育スポーツ局のグレッチュ博士、及びミュールドルフ社会教育専門アカデミー校のグリュック氏と研究に関して意見交換を行った。2022年12月にドイツ・バイエルン州の保育施設の関係者にオンラインでインタビューを行った。同じく2022年12月、ドイツの哲学と価値対話アカデミー主催の研修会にオンライン参加して、価値教育について意見交換を行った。2022年12月には、福岡県の保育施設の保育者にインタビューを行った。2023年3月、大阪府の保育施設でフィールドワークを行い、保育実践を収集し、関係者にインタビューを行った。 本研究における研究成果については、上記のオーストリアの専門雑誌、及び大学紀要1本にまとめた。さらに、2022年2月、宗像市幼児教育研修会で、講師として宗像市の幼稚園、保育所、認定こども園、届け出保育施設の保育者に、子どもと絵本についてワークショップと講義をする中で、本研究における研究成果の発信を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究実施にとって重要な意味を持つドイツの保育施設におけるフィールドワーク、及び福岡県外の保育施設でのフィールドワークがコロナパンデミックを理由に2020年以来実施することができなかったが、2022年10月、ドイツ・バイエルン州の保育施設、及び関係機関でフィールドワークを行なうことができた。その際、保育実践の収集を行うとともに、関係者にインタビューを行うことができた。2023年3月には大阪府の保育施設においてフィールドワークを行い、関係者にインタビューを行うことができた。 2022年12月には、オンラインでドイツの保育者にインタビューを行った。また、福岡県の保育者に対しては対面でインタビューを行った。さらに、ドイツの研修会にオンラインで参加して、意見交換を行った。 本研究で得られた研究成果については、オーストリアの幼児教育専門雑誌の中で、ドイツとの比較を通して見た日本の保育の特徴について発表した。また、公立幼稚園の内実を観点にした研究成果を大学紀要1本にまとめた。さらに、宗像市幼児教育研修会で、「子どもと絵本」についてワークショップと講義を行う中で、地域の保育者たちに対して研究成果の発信を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はこれまでのドイツと日本の保育施設でのフィールドワーク、及びインタビューで得たデータを分析することが課題である。さらに、2020年度から2022年度の後半まで、ドイツ、及び福岡県外の保育施設でのフィールドワークを行うことができなかった。そのため、2023年度は大阪府、神奈川県の保育施設でのフィールドワークを重点的に行って、保育実践を収集し、関係者にインタビューを行うことが課題である。さらに、福岡県の保育施設でのフィールドワークでは、保育の多様性の中で研究テーマを追求していきたい。 2023年度も大学紀要によって研究成果を発表する。さらに、地域の幼稚園、保育所、認定こども園等の保育関係者を対象とする研修会等の中でも研究成果を発信して、保育の質の向上に貢献できるよう努力したい。
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Causes of Carryover |
2020年度以来のコロナパンデミックの影響によって、2022年度後半までドイツ渡航、及び福岡県外への出張ができなかったことが理由である。 当該助成金、及び2023年度分の助成金については、大阪府、神奈川県の保育施設でのフィールドワーク、及びドイツの保育施設でのフィールドワーク、テープ起こし、及び関連物品の購入等に使用することを計画している。
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