2023 Fiscal Year Research-status Report
A Research Study on the Current Situation and Related Issues of Value-based Education in German and Japanese Preschools.
Project/Area Number |
19K02644
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
船越 美穂 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80263987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ドイツ / 日本 / 価値教育 / 参画 / 保育実践 / 絵本 / カリキュラム / 児童文化財 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はドイツと日本の保育施設における価値教育について、両国のカリキュラム、保育実践、教材や絵本などの児童文化財、保育関係者へのインタビューの分析を行うことによって、その実際と課題を明らかにすることである。 2023年度の研究では、コロナパンデミックの影響によって制約を受けてきた神奈川県と大阪府の保育施設でフィールドワークを行なって、保育実践を収集し、関係者にインタビューを行った。大阪府の保育施設には2023年5月にフィールドワークを行なった。神奈川県の保育施設には2023年7月、10月、12月、2024年2月、3月にフィールドワークを行なって、日常の保育実践と共に、行事の実践をも収集し、関係者にインタビューを行った。さらに、保育施設の保育者たちと意見交換を行なった。 2023年5月31日、ドイツ・バイエルン州の幼稚園の保育者を本学に招待して、学生対象にドイツの保育実践について講演会を開催し、意見交換を行なった。2023年6月9日、バイエルン州立乳幼児教育研究所の研究協力者であるローレンツ博士が来日し、福岡で研究に関して意見交換を行なった。2023年8月、及び11月に神奈川県の保育施設主催の多文化共生保育研修会にオンラインで参加して、関係者と意見交換を行なった。2024年1月、及び2月に神奈川ことぶき協働フォーラムにオンラインで参加し、意見交換を行なった。ドイツ・バイエルン州の保育施設における価値教育に関連する実践について、2019年、2022年のデータを分析した。 本研究における研究成果は、ドイツの保育施設における参画について大学紀要1本にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究対象園である神奈川県の保育施設でのフィールドワークが、コロナパンデミックによって、2019年以来実施することができなかったが、2023年度は5回にわたって実施することができた。さらに大阪府の保育施設でも2023年5月にフィールドワークを行うことができた。その際、保育実践の収集を行うとともに、関係者にインタビューを行うことができた。 2023年5月にバイエルン州の幼稚園の保育者を本学に招いて、学生対象にドイツの保育実践について講演会を実施して、意見交換を行なった。さらに6月には研究協力者のバイエルン州立乳幼児教育研究所のローレンツ博士と福岡で研究に関して意見交換を行なった。その他、2023年度はオンラインで神奈川県の保育施設に関わる研修会に4回参加をして、意見交換を行なった。 本研究で得られた研究成果については、ドイツの保育施設における参画をテーマにしている絵本の実際について大学紀要1本にまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度以来のコロナパンデミックによって、2020年に実施する予定であったドイツ・チューリンゲン州の保育施設でのフィールドワークを中止した経緯がある。そのため、2024年度はチューリンゲン州の保育施設、及びバイエルン州・レーゲンスブルク市の保育施設でフィールドワークを行なって、保育実践を収集し、関係者にインタビューを行うことが課題である。さらに、2024年9月にはドイツ・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の保育施設でフィールドワークを行なって、研究協力者であるキール専門大学のクナウアー博士と意見交換を行う予定である。さらに、ドイツの人形劇などの児童文化に関する実践の収集を行うことも課題である。 当該研究を通して収集したドイツと日本の保育施設における実践、関係者へのインタビュー、絵本などの児童文化財の分析を行なって、価値教育実践体系集を作成し、保育現場に向けて発信を行うことが課題である。 2024年度も大学紀要によって研究成果を発表する。さらに、地域の幼稚園、保育所、認定こども園等の保育関係者を対象とする研修会等の中でも研究成果を発信して、保育の質の向上に貢献できるよう努力したい。
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Causes of Carryover |
2020年以来のコロナパンデミックの影響によって、ドイツ、及び福岡県外への出張を行うことに支障が生じたことが理由である。当該助成金については、2024年度にドイツの保育施設でのフィールドワーク、及び関連物品の購入等に使用することを計画している。
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