2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02647
|
Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
舘 秀典 東京福祉大学, 保育児童学部, 講師 (90402148)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 保育者養成 / 気づき / アノテーション / 振り返り / 動画 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍によるマスクの着用や接触を避ける保育が行われていた中ではあったが,現場の映像データをもとに保育士や保育経験者,有識者による映像へのアノテーションを行ってきた。人により気づきは様々だが,共通して指摘されるシーンなども存在することから,暗黙知として何らかの気づきが共有しているであることが分かってきた。 暗黙知の文章化,表出は難しいことから,これら経験者のデータをもとに機械学習を用いたて抽出された種々の保育現場のシーンを,経験の浅い保育士に対する教材や,振り返りの資料とし,知識を得ることで不安を少しでも減らし,保育士の質向上,保育士を目指す学生の養成にもつなげることが応募者の最終的な目標である。 当年度は,保育士や保育経験者,有識者による映像へのアノテーションを行ってきた。また,これらのアノテーションが付与されたシーンを教師データとして学習させ精度の向上を図ってきた。またその結果をもとに 動画からのシーン抽出を試行してきた。これに並行し,動画にアノテーションを付与するためのアプリとサーバサイドの開発を進め,研究協力者である保育士や経験者の負担を減らすために,ユーザビリティの向上を行ってきた。これは,汎用的な動画アノテーションシステムとしてのシステムとして近く公開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において子どもたちの行動も制限され,当初の計画よりデータを収集することが難しくなってしまった。保育の現場,かつ保育士による声かけや行動が必要な場面という,限定された動画サンプルがデータ分析の元となるため,数が少量であり,機械学習による特徴抽出による学習の精度向上が難しい。保育の現場を撮影した市販の動画は教材目的で製作されているものが多く,保育現場のかなり特徴的なシーンのみであることから,機械学習の教師用資料としては向いているものは少ない。 抽出したシーンを機械学習させる点では問題は無いが,今後も学習データを増やしながら,少しずつ進めていくこととなる。現時点においては,コロナ禍により,通常と違う保育現場あるため映像データの不足から期待した精度まで上げられていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
下記4つを行う。 1. 研究協力者を増加させることで,視点を広くするとともに教師用データの数を増やす。2. 協力園を拡大し,分析対象とする保育現場の動画数を増やす。3. システムの学習の精度を少しでも高めるとともに,研究,市場における機械学習の技術も向上していることから,新たなアルゴリズムの導入を検討する。3. アノテーションシステムの,ユーザビリティの改善と,独立したアプリケーションとしての開発を進め,汎用的なアノテーションシステムとして一般公開を行う。4. 現在のアノテーションシステムを,保育士の養成現場や,保育者の研修会などに活用してもらい,機能に対する要望を取り入れ拡張を行う,これにより,保育士の研修や養成に必要な機能とは何かを洗い出し,他の同種のシステムと差別化を行うとともに,一般公開し,保育士の質向上へ寄与する。
|
Causes of Carryover |
データ収集のための研究協力費として,保育士や大学教員への謝金を予定している。また,システム後悔のためのサーバーレンタル費用にも利用予定である。
|