2023 Fiscal Year Annual Research Report
屋内で自由に集える公設の全天候型遊び場での子育て支援とコミュニティ育成効果
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19K02649
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田川 正毅 東海大学, 国際文化学部, 教授 (10326564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 未来 東海大学, 国際文化学部, 准教授 (70548734)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 屋内遊び場 / 子育て支援 / 健康づくり / 建築計画 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象は「地方自治体が設置または補助している、遊具等を配置して広場的な雰囲気を有し、地域の親子等が比較的自由に利用できる屋内遊び場」である。2019年度に自治体ホームページ等から、概ね 100 ㎡以上を対象に全国で約100施設を見出し全体の傾向を把握した。2020年度は、その主な自治体担当部課に郵送アンケートを行うことで設置意図・経緯を把握した。2021年前後はコロナ禍で子どもの遊び場の閉鎖や休館が続き調査に遅延が生じたが、2022年度にかけて実態把握を目的に地方毎に現地調査を行い、自治体担当者と施設管理者に聴取調査を進めた。2023年度は、一連の調査をふまえて、公共的な屋内遊び場の企画から計画・設計に際して重要な視点を明瞭にする為の整理を行った。2023(令和5)年度の研究概要は、2023年度日本建築学会大会(京都)において「公共的な屋内遊び場の計画・設計についての8つの視点からの考察」(田川・塚本)において示した。 屋内遊び場の計画面の捉え方としては、建築・遊具構成などのハード面、運営・維持管理などのソフト面に分けて整理するのが適切であろう。主にハード面に係る4項目として「立地とアクセス」・「規模と設置形態」・「遊び場のデザイン」・「屋内外のつながり」、主にソフト面に係る 4 項目として「 運営方法と子育て支援」・「利用の多様性」・「地域との連携」・「利用の料金」と捉えられる。これらの捉え方(ハード面4項目・ソフト面4項目の8つの視点とその細分類)を実例にあてはめて、公設屋内遊び場の特徴をわかりやすく示すことが出来ることを検証した。 研究全体を通して、自治体設置の屋内遊び場には、子どもの遊びを基軸に多世代が集える公共空間の新たな可能性が見られることも明らかとなった。
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