2022 Fiscal Year Annual Research Report
保育所を利用する外国にルーツをもつ親への支援プログラムの開発
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19K02651
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
和田上 貴昭 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (30386289)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国にルーツのある子育て家庭 / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国にルーツをもつ親の生活や子育ての状況について明らかにすると共に、有効な支援プログラムを開発することを目的として実施した。特に保育所が果たす役割と支援方法について明らかにし、保育者に対する支援マニュアルの作成を行うことを目指した。しかしながら、コロナ禍の影響により、当初計画していた外国にルーツのある保護者へのインタビューや保育所での取り組みが困難となったため、外国にルーツのある保護者の課題および就学前の子どもたちに必要とされる教育や支援の内容について検討することに変更し、研究を続行した。 外国にルーツのある保護者が日本で子育てを行うにあたり、日本固有の子育てに関する規範や生活習慣が影響を与えると考え、海外で子育てをしている日本出身の母親へのインタビューを実施し、周囲への配慮や周りとの同調が求められることが明らかとなった。また、海外における移民の子育て家庭への支援状況について明らかにするために、2022年度は、移民を多く受け入れているスウェーデンでの調査を実施した。移民の子育て支援を行なっている機関・施設を対象に聞き取り調査を行うとともに、欧州における移民の就学前の子どもを対象とした教育プログラムについて、開発者の一人であるウプサラ大学のシモン教授からプログラム内容について説明を受けた。さらにスウェーデンでの取り組みを紹介するために、来日していたシモン先生の講演を実施した。 以上の取り組みから外国にルーツのある就学前の子どものいる子育て家庭への支援においては、経済的な支援だけでなく、日本での生活を保障していくために日本語の習得支援を含めた多方面にわたる支援が必須であり、彼らのルーツを日本においても尊重できるような仕組みが必要であることが明らかとなった。
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Remarks |
「発達」174, ミネルヴァ書房, 2023年発行に「外国にルーツのある子育て家庭の困難と子どもの権利擁護」を寄稿
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