2021 Fiscal Year Research-status Report
Is the development of recent children increasingly delayed or unbalanced?
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19K02658
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Research Institution | Himeji University |
Principal Investigator |
郷間 英世 姫路大学, 看護学部, 教授 (40234968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛山 道雄 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90397836)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達 / 子ども / 新版K式発達検査 / 発達障害 / 発達促進 / 発達遅延 / 環境要因 / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、日本の子どもの認知発達および社会性や行動の発達の特徴や問題点を検討することを目的としている。今回は、1)最近70年間のわが国の子どもの精神発達の変遷とその特徴について、新版K式発達検査標準化のために収集された資料を分析することにより明らかにする、2)子どもの精神発達および社会性や行動の発達について、養育環境や生活習慣などの環境要因との関連を明らかにする、3)日本の子どもの発達を諸外国の子どもの発達と比較し、わが国の特徴を明らかにする、などについて研究をすすめている。 2021年(令和3年)度は、1)に関しては、2020年度までに収集した子どもから成人約3500人の「新版K式発達検査2020の」標準化資料と1983年に収集した「新版K式発達検査1983」の資料の比較を行なった。その結果、多くの発達課題では大きな変化がなかったのに対し、子どもの特定の領域の発達は時代とともに、促進してきている領域や遅延している領域のあることが明らかになった。例えば、赤・青・黄・緑を答える「色の名称」課題では、40年間で約12か月の発達の促進が認められた。一方、、正方形や三角形をまねて描く「図形模写」課題では10~11か月の遅延が、折り紙をまねて折る「折り紙」課題では、5~6か月の遅延が認められた。また、2001年に収集した「新版K式発達検査2001」との比較でも変化が認められ、研究論文として報告した。 2)については、子どもの精神発達および社会性や行動の発達について実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染のために実施できていない。令和4年に実施予定である。 3)に関しては昨年度に引き続き文献報告等を収集し検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染の拡大により、資料収集のための出張、子どもの発達の変化の原因としての環境要因の保育園や幼稚園での調査が困難な状況であり、研究期間を1年延長した。平成4年度に遅れた分の実施を予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)について、2020年のデータを1954年、1983年、2001年版の標準化データを比較し、子どもの発達の変遷について検討する。その際、2020年の標準化資料のデータは、①発達検査の各課題(検査項目)について、年齢別通過率(各年齢ごとの課題に合格した割合)や50%通過年齢(半分の子どもが合格する年齢)を求める。②次いで、他の年度の標準化資料のデータと比較し、現在の子どもの発達の変化の全体的特徴を検討する。 2)について、令和4年に就学前の子どもの生活習慣の調査を行い、これまでの我々の過去の調査結果や文献報告のデータと比較する。調査は、これまで行ってきた「家族構成」「就寝や起床時間」「食事」「テレビ・ビデオの視聴などメディア接触時間」「遊びの場所・時間・内容」「保護者が日常生活で気になること」などに加え、「ゲーム・スマートホンの時間」、幼稚園や保育園での「描画指導」「運動指導」「工作指導」などの内容を行う予定である。 3)日本の子どもの発達を諸外国の子どもの発達と比較しその特徴を明らかにする。新版K式発達検査は、ゲゼルGesell A、ビネーBinet A、ターマンTerman LMらの検査課題を多く取り入れ、日本の言語や文化に合わせた形で作成された経緯がある。我々の研究結果では、最近の日本の子どもたちの発達の変化は著しいものがある。これまで我が国の子どもの変化を諸外国の子どもの発達と比較している研究は見当たらない。そこで、我々がこれまで行ってきた研究結果やこれから本研究で行う発達の変遷の研究成果を、諸外国の子どもと発達を比較しようとするものである。
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Causes of Carryover |
コロナ感染等の影響により、保育園や幼稚園での調査ができなくなったため。
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Research Products
(11 results)