2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Application Software for Supporting Children on the Autism
Project/Area Number |
19K02659
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
森戸 雅子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 准教授 (50389029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 祐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10319999)
小田桐 早苗 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (10461245)
宮崎 仁 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20550396)
難波 知子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (30441489)
三上 史哲 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (80550392)
岩藤 百香 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80612986)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症児 / 感覚特性サポート / 家族 / アプリケーション開発 / 災害 / 支援者 / 地域生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
ASD児の多くが有する感覚の特異性(以下感覚特性)は、児が地域で暮らす上でさまざまな場面で困難をきたし、生活に影響を及ぼしている。2014年から地域で暮らすASD児の家族支援を考え、多職種研究チームにおいて、感覚特性の種類を分類・整理し、iPad用アプリ(システム試作品)「YOUSAY」を開発した。しかし、開発アプリのYOUSAYについて、機能が十分ではなかった。そこで、本研究ではさらに情報提示のしくみを整えた感覚サポートアプリの開発をめざし、災害時や緊急時等にASD児と家族と支援者間とで、短時間に情報共有を可能となるしくみを考案し、ASD児の家族と支援者など多様な立場の関係者と検証していくことを目的としている。システム試作品のYOUSAYでは、感覚についての表現を専門家が用いる表現、視覚、聴覚、嗅覚などにしていたが、過去の学会等シンポジウムにおいても要望の強かったわかりやすい言葉の表現として、「みる」「きく」「におう」「味わう」などの表現に修正した。災害時も常に携帯できるように、改良したYOUSAYはiPhone用のアプリに改良した。iPhone画面の色について、先行研究では暗い色に対してマイナス評価もあり、参考にしながら開発を進めた。iPhone用のアプリを用いて災害時や緊急時に短時間で情報共有を可能とするしくみとして、画面をシンプルにして、優先順位項目など個人に応じて項目順位を自由に選択できるように取り組んだ。また、感覚特性について分類・保存・検索の機能を保持し、新たなしくみとして、感覚特性のバランスの悪さを視覚的に捉えやすくするために、「YOUチャート」を考案した。今後は、地域で暮らすASD児・者の家族や多職種の支援者を対象として、検証を進めていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPhone用のアプリの仕様の検討が終わり、アプリ開発に向けて新たなしくみとして、感覚のバランスを視覚的に把握できる「YOUチャート」を考案した。iPhone用のアプリの内容について、多職種で協議した内容について、アプリ開発業者と定期的なオンライン会議等で検討しながら進めることができ、当初の予定通りの期間で仕上がった。アプリ開発が進んだことで今後の検証にむけての準備が整えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、iPhone用の感覚特性サポートアプリ「YOUSAY」の検証を進めていく。対面での検証計画を見直し、ASD児・者の家族およびASDの多職種支援者を対象として、対面せずに検証ができることから手がけていく。開発アプリの画面の仕様、操作性、情報提示に関する内容について、モニター依頼を受けてくれる対象者を選定し、継続的に使用状況をオンライン等で確認する。2021年度は、県外への出張はせず、県内の施設に協力を求め、在宅で生活をしているASD児の支援者に対してモニター依頼する。そのための出張費が必要である。また、学会への参加はオンラインの参加にともなう費用が必要となる。ASD支援者や学会等で得られたデータに基づき、今後の課題抽出や改良に向けて情報収集していく計画である。
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Causes of Carryover |
2020年度のアプリ開発に向けて、2019年度に使用額を検討した結果、2019年度の使用額を少なくして、2020年度分を増額した。2020年にアプリ業者に委託した後に、機能の実装後は、画面の色や動作や画面の内容について何度も協議し、考案した内容を網羅した感覚特性サポートアプリYOUSAYの開発が進んだ。2021年度はアプリ開発後のモニター調査(①ASD児の家族の調査、②ASD支援者の調査)として、2年間を継続して実施可能なモニターに対して、ASD児の家族から操作や情報提示の容易さ、画面の気になる色や形等の確認をする計画である。ASD児の支援者(多職種専門職)から操作の簡便さ、情報内容の提示画面の改善点等の確認をおこなう。コロナ禍において、対面での説明が困難であるため、ASD児の家族の検証は落ち着いた時期におこなう。まずは県内の施設に依頼して在宅生活をしているASD児の支援者から検証を行う計画である。県内施設への出張費が必要である。ASD児の災害を経験した家族への調査は県外を計画していたため、現状では困難である。県内のASD児の支援者に研究協力は得られている。開発アプリの説明は、緊急事態宣言等の解除がなされた時期など、研究協力者の状況を踏まえて協力を求めていく。ASD児の家族に対しては、オンライン学会に参加し公表した内容から開発アプリの進捗状況を説明していく。そのための学会参加費用が必要である。
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Research Products
(2 results)