2019 Fiscal Year Research-status Report
イスラーム法にもとづいて生活する子育て家庭に対する保育者の支援課題と展望
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19K02660
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Research Institution | Chugoku Gakuen University |
Principal Investigator |
中 典子 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授(移行) (70369784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 誠人 大谷大学, 教育学部, 教授 (00342105)
上續 宏道 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (40331657)
小宅 理沙 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教 (50523536)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イスラーム法 / 子育て支援 / 子育て家庭 / 保護者 / 保育者 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「イスラーム法にもとづいて生活する子育て家庭に対する保育者の支援課題と展望」を明らかにすることである。 2019年度においては、「聖典クルアーン」と「ハディース」よりイスラームについて、そして、子育て支援関連の文献を保育学等の関連分野から網羅的に収集して日本における子育て支援についての理解を深めることから研究を始めた。これらのような文献研究と同時に、これまで行ってきたプレ調査より修正した内容を用いて、イスラーム教徒家庭の保護者が「日本でイスラーム法にもとづいて生活する中で保育者にどのような配慮が欲しいか」についてのインタビュー調査を実施した。また、研究協力者のうちの一人が、インドネシアに渡航し、今後のインドネシアでのインタビュー調査に向けて、インタビュー受け入れ先の確保を行った。 その結果、まず、文献にもとづいてイスラーム法や子育て支援、インタビューにもとづいて協力者の思いを把握することができた。これらの研究活動により、「社会福祉」「社会的養護」「子ども家庭福祉」に関する文献を編集した時に、今後、日本において増加することになると考えられる「イスラーム法にもとづいて生活している子育て中の保護者に対する子育て支援」に関する内容を記載していくことができた。また、研究の成果の一部を日本福祉図書文献学会第22回全国大会で発表することにもつながった。さらに、イスラーム教徒が大多数を占めるインドネシアにおける子育て家庭に対するインタビューに向けての準備をすることができた。 これらのことは、日本における保育者がイスラーム教徒家庭の保護者の思いを理解することにつながる一助となるとともに日本における子育て支援の充実に向けての研究となったということができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、イスラームの「聖典クルアーン」や「ハディース」にもとづく理解と保護者に対してのインタビューを実施することを目的として研究を進めてきた。その中で、イスラーム法にもとづいて幼児教育を行っている日本の保育・教育施設でのインタビュー調査や見学をする機会を得ることができた。また、保護者へのインタビュー調査に対する追跡調査ができた。さらに、イスラーム教徒人口が大多数を占めるインドネシアでのインタビューに向けての準備ができた。 これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、保護者からのインタビュー内容を分析し、保護者の保育者への思いを明らかにするとともに、日本の保育者に向けてイスラーム理解に関する冊子を作成しようと考えている。そして、「保育者がイスラーム教徒の子育て家庭に対してどのように配慮しようと考えているのか」について把握するためのインタビュー調査の内容について検討していきたいと考えている。また、可能であれば、日本の保育者に対してインタビュー調査を実施したいと考えているが、昨今のコロナウィルス感染症の状況によっては、インタビュー調査はむずかしいと考える。遠隔操作を用いてのインタビュー調査実施も視野に入れて対応の検討を図っていきたいと考える。
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Causes of Carryover |
2019年度においては、これから研究を進めていく中で必要な準備を行っていく期間であった。そこで、当該年度において必要な物品や文献等を購入する予定であった。しかし、物品や文献の入荷状況等により2019年度中に研究のために必要なものをすべて購入することは不可能であった。 よって、2020年度においては、2019年度に残った18,262円と2020年度の科研費を「文献購入」、「物品購入」、「インタビュー調査に対する謝金」、「冊子作成に係る費用」」、「学会誌への原稿投稿料」に充てたいと考えている。
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Research Products
(1 results)