2020 Fiscal Year Research-status Report
自然遊びにおける身体感覚の溶解体験に関する研究~リスクと物語性の関係から~
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19K02663
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Research Institution | Chiba Keiai Junior College |
Principal Investigator |
清水 一已 千葉敬愛短期大学, 現代子ども学科, 講師(移行) (70455088)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自然遊び / 自然環境との融和 / 危険の認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年度の研究計画にある、「子ども自立キャンプ」(NPOケアラボ)が中止された。その為。キャンプ活動時に実施予定であった参与観察調査とリーダーへの聞き取り調査を、実施することができなかった。この感染症拡大の影響から、2020年度の研究方法を、野外活動の実践報告に関する文献資料の蒐集と集約と身体感覚の変容に関する理論的検討へと変更してきた。 まず、2019年度の調査データの分析から、子どもが自然環境と関わるうえでは、直接的接触よりも、図鑑や映像による知識による自然(生き物、植物など)の認識が高いことが推察された。さらに、夜間の暗さなどの日常では体験できない環境に対しては、友人や周りの大人とのつながりが、積極的関わりに影響していることが見て取れた。 野外活動の実践報告を蒐集し、集約した結果、活動形態において、自然体験の『場』の構成が、自然環境にゆだねた生活活動と自然環境の特性を利用したレジャー活動とに大別することができた。 また、2019年度に実施した参与観察調査における、大人と子どもの会話分析をすすめ、2021年度に実施予定の調査の枠組みつくりをおこなった。子どもが危機的状況(リスク感知)に遭遇した場合の身体の状況の変化と、会話上の物語性がどのように相互に関わっているのか明らかにする視点から調査の枠組み構成をおこなってきた。同時に、調査対象の実施状況を把握するため、対象団体と連携し、コロナウイルス感染症の予防対策を十分とったうえでの調査計画を再検討してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の拡大により、当初予定していた参与観察調査および聞き取り調査の対象である「子ども自立キャンプ」が中止となった。その為、2020年度中に予定していた質的データの蒐集が全くできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間で3回の参与観察調査と聞き取り調査を段階的に計画していたが、2020年度分調査ができなかったため、2019年度分と2021年度分の調査に縮小して、分析を進めていくこととなる。現在、2021年度には、調査対象の活動が実施予定であることから、20219年度分の調査と2020年度におこなった理論研究をもとに、自段階の調査枠組みを作成して、質的データの収集を計画している。
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Causes of Carryover |
2020年度の、コロナウイルス感染症拡大の影響により、参与観察調査の全面的な中止により生じた、調査研究旅費および調査のための物品費が、次年度に持ち越されることとなったため。
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