2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K02666
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Research Institution | Tokoha University Junior College |
Principal Investigator |
遠藤 知里 常葉大学短期大学部, 保育科, 教授 (90400704)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 野外教育 / 身体性 / 幼児期 / 保育者養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度研究では、1)保育者志望学生を対象とした野外・環境教育的手法による自然体験型研修プログラムの開発(前年度から継続)、2)身体性の側面から捉える幼児の自然体験の意味、について研究を行った。1)保育者志望学生を対象とした野外・環境教育的手法による自然体験型研修プログラムの開発:前年度までに開発したモデルプログラムに基づき、静岡県立朝霧野外活動センターの協力を得て、年中児・年長児・小1児童を対象としたキャンプを実施した。また、保育者志望学生がキャンプ指導を行い、その様子を観察した。モデルプログラムの検討を通して、自然体験の意味として、子どもと共に生活を自ら組織化する(生活を創る)ことの意味についての考察を深めることができた。特に、①子どもと共に自然の中での素朴な体験を行い自己の身体性への気づきを得ること、②生活の中での「見通し」と身体性の関係への気づきを得ること、の2点について、次年度以降の研究計画に反映し得る予備資料を得ることができた。2)身体性の側面から捉える幼児の自然体験の意味:幼児を対象とした自然体験活動のフィールドワークを行った。幼児期の自然体験の意味として、1)自ら課題に気づき新しい価値を創り出していくための「探究力」を育むこと、2)感覚と運動が一体化している幼児期における「からだ全体での活動」の有用性が見いだされた。特に、からだ全体の活動としては、自然環境の中に安心して居られる身体(のびのび、ゆったり、自然体)が前提となることが見出され、原体験の原点としての「自然と身体とのつながり」についての考察していくための手がかりを得ることができた。以上を踏まえ、最終年度においては、野外・環境教育における協働的・状況的な体験過程から「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」につながる学びについての理解につながるかを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、研究参加者や研究補助者を計画通りに確保することができず、当初計画の内容を実施することができなかったため。また、本務において想定外の出来事が多発し、当初予定していたエフォートを維持することが極めて困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、令和4年度までにデータ収集が完了している予定であったが、特に令和3年度、令和4年度の研究遅延により、研究計画の順序変更とデータ収集の分散・繰り延べを行った。一方で、モデルプログラムを2年間実施したことにより、最終年度の研究実施計画を緻密に立てることができた。令和5年度は、データ収集を中心に研究補助者を確保し、成果発表に向けて研究を推進する。
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Causes of Carryover |
研究進捗の遅れによる。令和5年度に使用予定。
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