2021 Fiscal Year Research-status Report
絵譜の再生をとおした幼児音楽教育の発展に向けた実践的研究
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19K02667
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
臼井 奈緒 佛教大学, 教育学部, 准教授 (90634311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 絵譜 / ホームページ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度から本格的に制作を開始した、佛教大学の保育者養成課程に在籍する学生が作成した絵譜を、研究成果として公開するためのホームページの制作準備を主に行った。ホームページはすでに完成しており、現在、公開に向けて準備を整えているところである。絵譜のホームページ掲載にあたり、元の楽曲の著作権の権利保有者への確認作業、著作物使用料の支払い等の手続きが完了次第、開設予定である。 また、①日本保育学会第74回大会、②日本音楽教育学会第52回大会、③音楽学習学会第17回大会において、2020年度の絵譜を用いた実践報告をそれぞれ口頭発表で行った。 ①では、絵譜を一年間を通して幼稚園の子育て支援に取り入れた実践から得られたアンケートデータをもとに、保護者の反応や絵譜の歌唱活動増進への寄与について、分析・発表を行った。また、それらをもとに論文執筆し、日本保育学会に投稿したが、不採択であったため、再度修正投稿を行う予定である。②では、現職保育者、新任保育者が保育教材としての絵譜をどのように受け止めたかについて、現職保育者・新任保育者対象研修会で得たアンケートデータをもとに、分析・発表を行った。③では、絵譜の作成による学生の意識の変容プロセスに焦点を当て、口頭発表を行った。 これらの研究結果からは、絵譜の作成者であり、保育職を志す立場である学生、絵譜を配布された子育て世帯の保護者、教材としての絵譜を活用する立場である保育者といった、異なる立場の3者の絵譜の受容態度が総じて非常に肯定的であったことが明らかとなり、保育教材としての絵譜の存在価値を確認できた。 保育者養成校・保育現場・家庭をつなぐ存在として、絵譜を活用していくために、運用についてさらに検討していくことが2022年度の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行により、当初計画していた2回目のドイツでの絵譜の調査が未実施ではあるが、2019年度の渡航調査の成果として、予定していなかった絵譜のホームページ作成が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度内に、絵譜の対象楽曲に対する著作権への対応策を検討した上で、ホームページの有益な運用について整備していく予定である。 また、フィンランドにおける絵譜を用いた保育実践の情報提供を受けたため、現地調査を予定しているところである。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、海外渡航が制限され、ドイツでの調査が実施できなかったため。 その代替として昨年度従事した、研究成果を発表するHPの制作費用に研究費を流用した。 さらにHP運用のための必要経費や、著作権手続き等の諸費用として、2022年度まで科学研究費給付の延長申請を行った。
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