2022 Fiscal Year Annual Research Report
Australia-Japan Comparative Study on Globalized School Management: Focusing on IB School
Project/Area Number |
19K02672
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 博志 筑波大学, 人間系, 教授 (80323228)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 校長 / 日本 / オーストラリア / IB認定校 / リーダーシップ / 国際比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グローバル化された学校におけるマネジメントのあり方を、日本とオーストラリアの比較分析を通して解明することである。2022年度は、学校経営の実態に関するフォローアップ調査と論文の作成に専念した。これまでの研究成果を集約して、研究論文をアウトプットした。海外(オーストラリアを含む)との比較を考慮しつつ、日本における優れた校長の在り方を英語の論文で発信した。研究期間全体の成果として、次の点が明らかになった。優れた校長は、①子供の成長を願う教育観、価値観を持っていること、②授業、教育活動の改善を重視しており、自ら模範となる授業を行うこと、③教諭と共に学び合い、公平な人間関係を重視していること、④人間関係の感情レベルでの信頼関係の構築を尊重していること、⑤未来の教育改善についてビジョンを持っていること、⑥地域社会や外部の専門家とのネットワークを有し、活用していること、⑦教育委員会とも良好な関係を築いていること、が明らかになった。これらの知見を、世界教育学会のジャーナルに投稿し、再審査を経て、掲載を果たすことができた。日本の校長の在り方について、英語で海外に発信した論文は日本初であると思われる。さらに、重要な点は、この研究で得られた上記の知見が、海外の優れた校長と類似していることである。ただし、相違点も見出された。それは、エビデンス・インフォームドの観点が、諸外国(オーストラリアを含む)では重視されているが、日本ではあまり重視されていない点である。この点に、今後の日本の学校マネジメントの課題があると言えよう。
|
Research Products
(2 results)