2021 Fiscal Year Research-status Report
外国人集住地域の小学校と在日外国人児童生徒教育のカリキュラム
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19K02674
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
磯田 三津子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10460685)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在日外国人児童生徒教育 / 多文化共生教育 / 外国人集住地域 / 外国につながる子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、主に大阪市、奈良県、兵庫県、滋賀県の在日外国人児童生徒教育の研究会等で発行された資料を収集した。特に大阪市の外国につながりのある子どもたちが多く暮らす地域において実践された指導計画案や実践記録を収集することができたことは重要な成果である。さらに、そこで具体的にどのような実践が行われているのか、いくつかの小学校を訪ね、調査する予定であった。特徴のある小学校の外国につながりのある子どもをめぐる実践がどのような考えにもとづいて、またどのようなカリキュラムで展開されているのかについて理解する必要がある。具体的には、大阪府や愛知県の小学校を訪ね、教師への聞き取り調査及び、授業を参観する予定であった。しかし、新型コロナの感染防止の影響によって訪問することができなかった。 一方で、滋賀県甲賀市のブラジルにつながりのある子どもたちの日本語学習の実践について参観することができた。そこでは、日本語を日本人だけではなくポルトガルを話すことのできる教師も参加し指導していた。こうした子どもたちの母語と関連付けて日本語を教えることの意味についても今後検討の対象としたい。 外国につながりのある子どもたちをめぐる学級経営・授業実践及び、日本語指導の双方にそれぞれ自治体、あるいは学校ごとに特徴があることを理解することができた。2022年度も資料の収集及び、調査を継続し、在日外国人児童生徒教育の特徴を整理し、研究成果としてまとめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、外国人集住地域の小学校及び、在日外国人児童生徒教育を積極的に行っている自治体が発行した資料の収集が必要である。そのために、直接、資料を閲覧し、それらの資料の収集をすることが必要である。同時に、外国人集住地域の小学校を訪ね、学校長及び、日本語を担当する教師等に聞き取り調査を行う必要があった。新型コロナの蔓延と感染防止によって、その予定を設定するものの断念せざるを得ない状況が続いた。2021年度は十分な調査ができず、資料等が不備な状況から研究成果を発表することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、全国在日外国人教育研究協議会の全国大会(鳥取大会)が2年ぶりに対面で開催される。こうした在日外国人児童生徒教育に関わる大会に参加し、全国の外国につながりのある子どもたちの教育に関する実際を探る。同時に、特に特徴のある実践を行っているいくつかの小学校を訪ね、そこで外国につながりのある子どもたちの教育に中心的に携わる教師へのインタビュー及び、授業等の参観を行いたい。 以上のように今年度は新たに資料等を収集する。そして、昨年度までに集めた自治体の在日外国人児童生徒教育に関する取り組みについての資料を合わせて検討・考察する。その結果を、研究論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの拡大と感染防止のために、調査等が中断した。そのため、予算に次年度使用額が生じた。 2022年度の予算は次の以下の3点において使用する計画である。第一は、多文化共生教育、在日外国人児童生徒教育に関する文献を収集するためである。第二は、外国人集住地域の小学校への訪問、各学校で在日外国人児童生徒教育を行っている教師への聞き取り調査を行うためである。第三は、学会、研究会への参加するためである。
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