2022 Fiscal Year Annual Research Report
郷土における直接的経験を基盤とした知識が有する三次元的構造の究明
Project/Area Number |
19K02679
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
飯島 敏文 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80222800)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 逐語記録 / 構造的記述 / KH Coder / 計量テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前から授業の逐語記録を用いて発言の構造的記述を試みてきた。授業ごとに子どもの発言に関連付けられる付加的情報が異なるため、発言の読解に際しては文脈を考慮した最適解を施そうとしてきた。これは唯一の最適解を見つけるためのアプローチではない。 本研究では、より普遍的な言語表現の構造的記述を探るために、巨視的アプローチと微視的アプローチをとる。巨視的アプローチでは、授業実践の逐語記録をテキスト分析の対象とすることで、授業単元内における諸発言の概要を捉えるとともに頻出語と頻出関連の抽出をおこなっている。微視的アプローチでは、頻出語と関連語の関連構造描出に関して、諸科学の関連記述ルールを参照することで新たなアイデアによる記述手法を試行している。 たとえば「KH Coder」のようなテキストマイニングソフトウェアを用いることにより、テキストデータの計量テキスト分析をおこなうことが可能である。この分析により、テキストデータに含まれるワードの検索や、出現頻度の多いワードを抽出する「頻度表」の描出などが可能である。さらに、多変量解析によって、共起頻度が高いワード群や、同一ワードを含むテキストグループがチェック可能である。このことによって、データ中に含まれるキーワードが特定され、あるいは文章や発言の主題を抽出する手がかりが得られる。 本研究では、ひとまとまりの知識に関わり、経験や教材の内にある諸要素や学習活動において生じる諸作用を抽出し、それら諸要素や諸作用の間に想定されるつながりを記述しようとする。その上で、諸要素及び諸作用の相関関係の有無や強弱を考慮する。そこに因果関係や時系列を組み込んだ座標軸を想定することで、知識の三次元的構造の解明を追究する。このことによって可視的描写を可能とする描出ルール解明へのアプローチとする。
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