2022 Fiscal Year Research-status Report
地域社会少年層における話しことばの実態と教育に関する基礎的研究
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19K02696
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
津田 智史 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (30726443)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 少年層の言語実態 / 地域社会の言語実態 / 方言教育 / 効果検証 / 話しことば教育 / 鶴岡調査 / 鶴岡方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のことばをめぐる環境の変化にともない、平成29年告示の「新学習指導要領」のなかで共通語と方言、また世代間によることばの違いを意識させること、そしてそれらを理解させることの必要性が謳われている。しかし、現状の国語科教育では、残念ながら地域のことばの理解を進める教育という面において十分であるとは言い難い。 そこで、本研究では、①地域社会における話しことばについて実態調査から明らかにすること、②話しことばの教育実践法を確立・提示することを目指した活動をおこなっている。 2022年度は新型コロナウイルスの影響を引き続き受けたこともあり、話しことばの実態を明らかにする多人数調査(①にかかわる研究課題題解決のための根幹を成調査)がおこなえず、十分な成果を上げることができなかった。当初の対面調査の予定を大幅に変更し、アンケートを主体とした調査方法の変更にともなう準備を進めていたが、現地協力者の部署移動などもあり、実施にいたらなかった。 対象地域である山形県鶴岡市への訪問は難しい状況であったが、徐々に状況も改善されたことから、現地協力者との連絡を密にとり、研究にかかわる調査実現のために、方法や時期の調整を続けてきた。それにより、研究課題に関する調査のための協力体制の土台作りを進めてきた。 また、②の目標達成のために教育方法の面の検討を進めるとともに、方言の意識や方言の役割・機能に関する実践授業などを所属大学の大学生を対象に試験的に実施した。認知科学の研究者からも知見を得て、より現場的、実践的な視点からの教育実践と効果検証の方法の検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今続く新型コロナウィルスの影響により調査地域への移動が難しく、2022年度に予定していた現地での聞き取り調査がおこなえなかった。また諸所の事情により調査実施のための組織について当初計画から変更せざるを得ない状況になったため、調査実施の準備が整わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に次の2つの調査を実施を目指す。 1)言語意識および言語生活に関するアンケート調査 2)少年層の会話データ収録 1)については、小・中・高の児童・生徒を対象に各100名程度で実施予定。現地での調査が可能になれば、各30名程度の規模で伝統方言の理解と使用に関する調査も実施予定である。オンラインでも対応できるように調整をおこなっている。 2)については、各校種数名ずつ児童・生徒に協力してもらい、会話データ(友人同士の会話:オンライン)の収集をおこなう。 上記の調査データをもとに、話しことば教育の実践的な方法論を検討していく。対象地域のデータ・事例をもとに、話しことば教育に関する授業実践のための方法論の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により研究課題の目標達成にかかわる現地での対面調査を実施できなかった。調査に伴う移動費、準備費、データ整理の人件費などを計上していたが、対面調査の実施が叶わず、使用もできなかった。当初計上していた金額については次年度に回し、研究課題やその目標達成の方法を検討・見直しつつ適切な運用をおこなっていく予定である。
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