2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K02705
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
片山 紀子 京都教育大学, 大学院連合教職実践研究科, 教授 (60342169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 規則 / 生徒指導 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで行ってきた研究を著書と論文、雑誌で示した。 著書『日米比較を通して考えるこれからの生徒指導』では、日本とアメリカ合衆国(以下,アメリカ)の生徒指導を比較しながら, これからのわが国の生徒指導について示した。アメリカの生徒指導を参照しつつ,疲弊して止まないわが国のそれを見直したいというのがその根幹にはある。アメリカは知られるとおり,人種や文化,宗教を含め,実に多様な国であり,わが国とは歴史や文化など,背景が大きく異なる。どの国であっても背景が異なり,いくら素晴らしいと思ってもそれ をそのままそっくり移入することはできないが、諸外国の生徒指導に関する知見を深めつつ,それをヒントにしながら,わが国の子どもにとってよりよい教育環境になるように,また教育実践に直接携わる教員にとってよりよい職場環境となるように,みなで議論したいと考え,執筆したものである。わが国では価値観等,大きく変容している。時間と手間を惜しまずに行い続けてきた 生徒指導は,わが国の学校が誇ってよい部分であり,そのよさは十分に理解で きるがその一方で,これまで「子どものために」を合言葉にした,当たり前 だとされてきた生徒指導はこのままでよいのか,枠組みを見直してみる必要が あるのではないか,といったことを提示した。 論文としては、「アメリカの生徒懲戒制度に見る近年の傾向」というタイトルで、タイトル通りアメリカの生徒懲戒制度の近年の傾向を記した。その一部は、冒頭の著書にも組み入れた。 また、2021年4月号『月刊生徒指導』では,上述の内容をもとに、「持続可能な生徒指導への転換」というタイトルで執筆した。教員のもつエネルギーは限られている。教員の持っている限られたエネルギーを何 に使うべきなのか、改めて問い直す必要があるということを記した。 以上のように、著書や論文、雑誌で少しずつ実績を積み重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナの影響でアメリカの学校を訪問することができないため、現地での見学やヒアリングが実施できていない。 できるだけzoom等を使うようにして、遅れが出ないように努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、学校現場に入り込むことが多くなったスクールロイヤー等と連携し、わが国の学校の規律や規則について検討を行いたいと考えている。 スクールロイヤーについては、これまで神戸市教育委員会で連携してきた実績があるため、協力が得られると期待している。
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Causes of Carryover |
新型コロナのため、海外渡航がすべて中止となった影響が大きい。本年度は、新型コロナの状況を見たうえで、国内を中心に調査研究を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)