2019 Fiscal Year Research-status Report
授業研究を中心とした学校改革における経営的要因の解明ー浜之郷小学校の事例分析
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19K02712
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
栗原 幸正 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 教授 (80804260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 博文 筑波大学, 人間系, 教授 (20212152)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 研究協力許諾 / 調査対象者リストアップ / 15年経過後調査 / 調査内容決定 / 被調査者発掘 / 面接調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、平成10年度から平成16年度の限られた期間に、当該校に勤務していた教職員と、その学校を訪れた教育関係者へのインタビュー並びにアンケート調査を通して、短期間に研究校として有名となった当該校において、どのような学校経営が行われ、その経営の元で、教職員や学校文化の中にどのような変容が生じて授業変革につながっていったかを解明することである。 上記の研究目標を達成するため、令和元年度はまず当該校の設置者である市教育委員会及び教育センターに研究協力の要請を行い許可を得、次に当時学校長で有り、現職でご逝去された校長のご家族からも調査についての了解を取ることに取り組んだ。開校以来15年の月日を経ているとはいえ、個人情報や様々な思いも存在することからかなりの時間を要したが、協力を取り付けることができた。 同時に、当時当該校に勤務した教職員をリストアップし、現在の勤務先や居住地の調査を行うと共に、インタビュー調査内容とアンケート内容についての検討を研究協力者とおこない、アンケート調査の準備を完了した。さらに、アンケート調査で得たデータ等を分析するためのハード及びソフトを購入し、インタビュー等の実施後すぐに、内容をまとめられる体制を整えた。 実際の調査については、当該校を前述の学校長と共に教育委員会の指導主事時代より構想し、開校に関わった元校長より、当時の時代背景や人的関係性、また開校に向けての方向性や具体的な方法など、貴重な話を、研究協力者と共に聴取することができた。また、当時在籍していた、教頭、養護教諭、教諭、新採用教員等へもインタビューとアンケート調査を行い、研究課題の究明に向けてのデータの収集を11月までに開始する事ができた。 特筆できるのは、群馬県での校内研究支援で訪問した学校長が、当該校に調査時期に訪問していることがわかり、調査対象を群馬で発掘出来た事である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始年度の前期を、研究への協力依頼や調査対象のリストアップ、さらにインタビューやアンケートの内容の検討に時間をかけすぎたが、その成果として多くの視点から当該校の当時の様子についてアプローチできるインタビュー等の内容にする事ができた。その成果を元に8月より調査に入る予定であったが、教職課程に係る実地調査実施が8月に突然通知され、教職支援センター長としてその業務に取り組む事になり、インタビュー調査を実施する時間を生み出す事が出来なかった。 実地調査も無事終了し、11月より、当時の関係者が退職後に各地に移り住んだ事もあり、各地に行く計画を別途立て、さらに日程調整を行う必要がでてきた。幸い、開校の様子を最もよく知る元校長には茨城県でお会いすることができ、貴重な話を伺うことができた。その他にも、教職員で移動した方に連絡をとり、福岡、三重での取材。また当時、当該校を訪問した教員や研究者にインタビュー調査を行うため、高知、大阪、兵庫、山形の対象者と1月から3月にインタビュー実施の日程調整を行っていた。 ところが、令和2年に入り、新型コロナウィルスの影響で、インタビューの実施に向けての調整が次第に難しくなり、2月に調査者が居住する神奈川県に、ダイヤモンド・プリンセス号が着眼したこともあって、調査予定は全てキャンセルする事になった。 本来ならば、2月・3月に各地でインタビュー調査を実施すると同時に、アンケート調査の拡充を図る計画であったが、その実施も完全に中断したため、特にアンケートを介したデータの収集が出来ていない。 さらに、令和2年4月以降も、インタビュー調査、アンケート調査共に休止状態が継続している。研究としては、当時の当該校の資料の整理、授業研究における逐語記録の分析を行ってはいるが、新型コロナウィルスに係る大学の対応も多忙を極め、現状に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染が完全に終息するのには数年かかるという専門家の意見通りだとすれば、インタビューとアンケート調査主体の本研究は、中々軌道には乗らないことが予想される。そこで、対面による調査活動にあわせて、遠隔調査の実施を検討すると共に、アンケート回収に向けての方策を検討する必要があると考えている。 幸いなことに、今年4月で当該校の校長が退職し、教育委員会で協力を快諾した課長が校長として着任している。そこで、前任の校長とは異なり、学校に入っての調査活動も可能となる事から、当時の授業研究会の記録映像の比較検討や、個人情報には十分配慮しての、当時の参加者へのアンケートの送付等を実施する可能性が高くなったと言える。 また、調査のための日程調整を図っていた調査対象者から、後期の実施に向けての打診があるなど、調査に向けての明るい兆しも見えつつある。 なお、本研究で最も重要な、在籍した教職員へのインタビュー調査については、夏休み等が縮減される中で、3密にならない状況での実施再開を検討しており、冷房のいらなくなる10月をめどに再開すべく、新型コロナウィルスでの対応を聞き取り調査しつつ、コンタクト数を増加させるべく、今後動き出す予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、調査1年目に、調査対象となる当該学校の元教職員並びに当該校訪問者に面接調査を行うため、大阪・福岡・三重・高知・山形等への旅費・宿泊費に加え、謝金を使用する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で、全国への調査活動が出来なくなったため、研究2年目の後期に使用する予定である。
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