2021 Fiscal Year Research-status Report
大学生のインターンシップにおけるプロアクティブ行動と組織内社会化に関する縦断研究
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19K02716
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
三保 紀裕 京都先端科学大学, 経済経営学部, 准教授 (80604743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 智晶 京都産業大学, 共通教育推進機構, 准教授 (70468297)
寺田 盛紀 京都先端科学大学, 経済経営学部, 客員研究員 (80197805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インターンシップ / 予期的社会化 / 縦断研究 / プロアクティブ行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画通り,内定学生から新入社員に至るまでの縦断調査(アンケート調査)を実施し,それに基づく研究成果を複数まとめている。 本研究では大学在学中のインターンシップ経験が,入職後の初期適応にどのような影響を及ぼすのかについて,プロアクティブ行動を中心とした変数に着目した検討を行っている。これまでの縦断調査の結果から,インターンシップの実習先企業と実際の入職後の企業に接続性が無かったとしても,インターンシップ経験時におけるプロアクティブ行動(特に,組織文化の理解に関する情報探索行動)は,入職後の初期適応(特に,情緒的コミットメント)に対してポジティブな影響を及ぼすことが明らかになっている。また,インターンシップの実施期間に関する議論も行っており,1日インターンシップを除くすべてのインターンシップ経験が初期適応にポジティブな影響を及ぼしていた。これには,インターンシップ経験の中に「就業体験」が含まれていることが関係していることが考えられ,産学協議会(2021)などでなされているインターンシップに関する議論を実証的に支持する結果が得られたともいえる。 これらの成果は,インターンシップ研究,組織社会化研究の双方の進展に貢献しうる知見であるだけでなく,大学教育の実践に根拠資料や指針を提供しうるという点で価値のあるものである。 2021年度はこれに伴う研究成果として,紀要論文3編(うち1編は査読つき),学会発表2件をおこなっている。このうち学会発表1件については,優秀発表賞を授与した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の計画については概ね順調であったが,計画に含まれている企業担当者を対象としたヒアリング調査の実施に遅れが生じている。理由はコロナ禍の影響によるものであり,急ピッチでヒアリング調査を進めている状況にある。これに伴い,当初の研究計画から1年,実施期間の延長を行っている。 すべての計画について,2022年度以内に完結させる予定であり,これについては問題なく完了できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
残されているヒアリング調査の実施と取りまとめを中心的に行う予定としている。また,これらを含めた研究の総まとめを実施していくことを2022年度の予定としている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け,当初計画にあったインタビュー調査に遅れが生じている。この影響により,研究期間の延長を余儀なくされた。 これらの調査を踏まえた研究成果のまとめに関する資料収集ならびに調査実施に関する諸費用に実施する予定である。
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Research Products
(5 results)