2019 Fiscal Year Research-status Report
体育科におけるICTを利活用した評価システムの開発
Project/Area Number |
19K02725
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鈴木 直樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60375590)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ICTの利活用 / 体育の学習評価 / ポートフォリオ / 遠隔体育 / VR / ステークホルダー・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ICTを利活用した新たなコミュニケーション形態としての学習評価を行うことで、教師と子どもだけでなく、保護者や市民も巻き込んだ真正の学習評価の実現を目指していくことを目的としている。1年目となる2019年度は、まず先行研究の収集を行なった。その後、米国のワシントン州エレンズバーグ市の中学校でのスマートウォッチを使用した実践を対象としてデータを収集し、教師と生徒にインタビューをして活用の成果と課題を検討した。この研究については、2020年度に日本で開催される国際学会で発表する予定である。また、ワシントン州シアトル市でICTを利活用している先進校を訪問し、体育におけるICTの利活用と評価への利用に関して情報交換を行い、海外での研究基盤を構築した。さらに、日本国内の2つの小学校で、教師、保護者、児童で評価情報を共有する「メディアポートフォリオ」の実践を行なった。データを継続的に収集していたが、コロナウィルス感染拡大により、3学期のまとめのデータを取ることができなくなってしまった。このデータを手がかりとして、再度、研究への取組を検討して、2020年度に研究を実施していきたいと考えている。加えて、遠隔体育を実践し、グローバルな学びの場を創造し、評価システムの開発を検討した。これは継続して取り組みをおこなっているが、共有フォルダを有効に使うことで評価情報の収集につなげるような方法を開発した。その上、学習者の視点からの運動経験をVRコンテンツを用いて行い、そこから問題を発見させ、問題解決を行い、問題解決を展開していく際の評価方法の一つとしてVRコンテンツを用いて実施する評価方法を開発した。2019年度には、2校で実践し、問題発見と評価に活用するVRコンテンツを改善し、2020年度は4校で実施し、成果と課題について検証していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1月までは順調であったが、小学校で一年を通じてデータ収集をしていた学校が、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、休校となり、作成していた評価情報の家庭での共有、家庭からの感想が回収できなくなり、研究を中断せざるを得なくなってしまった。また、3月の初旬にはマカオと日本の学校を遠隔でつなぎ、遠隔体育の授業実践とその評価の方法について実証的に検証する予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、出張が中止になった。さらに、3月には米国のミシガン大学の研究者を訪問し、情報交換を行い、イリノイ州プレインフィールド市で先進的実践に取り組む学校を訪問し、イリノイ州立大学、ウィスコンシン大学で研究の情報交換を実施する予定であった。しかし、これも新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、出張がキャンセルとなり、実施することができなかった。2月・3月に重要な研究の予定が集中しており、それらの実施ができなかった為に研究が予定よりもかなり遅れる形となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度に中断となってしまった研究の整理の仕方について検討し、活用していきたい。また、本研究は海外の研究者に協力をしてもらいながら進める予定となっており、新型コロナウィルスの感染拡大によって海外渡航ができない状況、そして小中学校での体育の授業実践と研究データの収集が難しい状況で、実践的な研究も実施しにくい状況となっている。このようなことから、1年間の研究延長を検討して研究計画を立て直すことを考えなければいけないと思っている。今後は、可能ならば9月に渡米し、2019年度に実施する予定であった先進校訪問や情報交換を実施していきたい。国内外での学校と協力した研究も不透明な状況となっており、今後、外務省から出されている情報や政府や自治体の政策動向を注意深く見守り、海外渡航や日常の学校生活を送ることができる見通しをもつことができた段階で再度、海外への渡航や国内での実践について研究計画を立て直し、研究内容を確実に遂行することができるようにしていきたい。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大によって3月に予定していた米国出張がキャンセルになった為、次年度使用額が生じた。この出張は、2020年の9月に再計画をする予定である。
|