2019 Fiscal Year Research-status Report
観光資源の再発見・再認識を基に地域活性化を考え合う地理ESD授業の開発
Project/Area Number |
19K02729
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
永田 成文 三重大学, 教育学部, 教授 (40378279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金野 誠志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50706976)
磯野 巧 三重大学, 教育学部, 講師 (50754884)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 観光資源 / 地域活性化 / 地理 / ESD / 遠隔会議 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は三重大学と鹿児島県立徳之島高等学校と三重県立尾鷲高等学校で研究の打ち合わせを行い,地域の観光資源を活用した地域活性化について考え合う地理ESD授業を系統的に実施し,遠隔会議により伝え合うプログラムを3年間かけて実施することについて合意を得ることができた。また,徳之島高等学校に遠隔会議システムを設置し,遠隔会議システムを有していた尾鷲高等学校では外部とインターネット接続ができる環境を整えた。 2019年度は徳之島高等学校の地理選択者1学年と尾鷲高等学校の地理選択者2学年で,地理の地域調査学習の一環として,お互いの地域のよさを伝え合う地理ESD授業を開発し,実践した。 地理ESD授業の実施に向けて,三重大学と徳之島高等学校と尾鷲高等学校との打ち合わせ(5月~10月),三重大学を通した徳之島高等学校と尾鷲高等学校との接続実験(12月~2月)を行った。また,遠隔会議に向けて,三重大学の教科教育教員による「世界遺産に関わる地域のよさをアピールする」授業と三重大学の教科専門教員による「観光地としての地域の魅力を考える」授業(10月-12月),徳之島高等学校と尾鷲高等学校の地理教員による地域調査の授業(1月-2月)を行った。遠隔会議(2月)では,徳之島高等学校は自然(海・山),観光,人の温かさ,闘牛文化,世界遺産登録を見据えた環境保全,伝統的な文化・産業について,尾鷲高等学校は世界遺産,観光,林業,漁業,防災を含めた地形と気候,方言・言葉について発表した。 徳之島高等学校と尾鷲高等学校の生徒は,それぞれパワーポイントやボードを活用して,それぞれの地域のよさを伝え合うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三重大学と鹿児島県立徳之島高等学校と三重県立尾鷲高等学校において,地域の観光資源に着目して地域の課題を解決向けて思考・判断していく地域調査を核とした地理ESD授業により,学習者の地域への愛着を深め,社会参画への意識を高めるという本研究の目的を共有することができた。また,三重大学を通して両校を遠隔会議で結ぶシステムを構築できた。 2019年度は地域の課題を考える前提として,お互いの地域の魅力を伝え合う地理ESD授業を開発し,実施することができた。このため,2020年度の地域の観光資源を活かした活性化を伝え合う地理ESD授業,2021年度の日本の観光資源を活かした活性化を伝え合う地理ESD授業を実施する目安をたてることができた。 課題として2020年度以降に,地域の観光資源の活用をグループで共有して考えるためのタブレット等を活用した授業や,自分たちの伝えたいことが明確になるプレゼンテーションのあり方の工夫を考えていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,学習者が当事者意識に基づいて地域の活性化の方策を考え,行動の変革を促していくために,観光資源に着目して地域のよさを再発見・再認識し,その活用を考え合う地理ESD授業プログラムを計画している。2020と2021年度は,プログラムの成果を分析するために,徳之島高等学校と尾鷲高等学校で同一学年の集団を対象として授業を行いたい。 2020年度は地理総合の生活圏の調査と地域の展望を想定して,地域の観光資源を活かした活性化を伝え合う地理ESD授業を開発し,授業実践を行う。2021年度は地理探究の持続可能な国土の探究を想定して,日本の観光資源を活かした活性化を伝え合う地理ESD授業を開発し,授業実践を行う。 学習者が地域の観光資源を再発見・再認識できたか,地域活性化の意識は高まったのかについて,2019年度,2020年度,2021年度の地理ESD授業を比較し,その成果を学会等で報告していきたい。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究代表者は,校務の都合により連携校における教科専門教員の授業を参観することができなかった(18,940円)。研究協力者は,シンガポールの世界遺産について調査に行く予定であったが,諸事情により行けなくなった(215,022円)。もう一人の研究協力者は次年度の研究調査費用として端数となったお金をプールした(16,751円)。 (使用計画) 研究代表者は2020年度に連携校との打ち合わせのための旅費として残額を使用予定である。研究協力者は2020年度にシンガポールの調査を行い,残額を執行予定である。もう一人の研究協力者は2020年度の研究調査費用に残額を上積みする予定である。
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