2019 Fiscal Year Research-status Report
数理・データサイエンス教育のためのデータ分析を訓練する数学教材の開発
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19K02746
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
松田 修 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (60342549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 純一 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (00469579)
長水 壽寛 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 教授 (10259856)
山中 聡 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 助教 (20804066)
相場 大佑 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 助教 (50735123)
中村 重之 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (80207878)
前澤 孝信 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 准教授 (90548398)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数理・データサイエンス / データ分析 / 数学教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
「数理・データサイエンス教育のためのデータ分析を訓練する数学教材の開発」の第1回会議を,2019年5月,倉敷市民会館第5会議室で行なった.会議では数学,理学,工学の観点からサイエンスやテクノロジーの諸問題にも目を向けられるような数学教材を開発する方向性を検討した. まず,本研究の研究課題の核心をなす基本的な問いを確認した.それは,「数学的知識・技能を活用して現実的な諸問題を解決する教育法とは何か」というもので,高水準の数学的リテラシー教育に関係する.我々はこれを,来るべき人工知能(AI)時代における数理・データサイエンス教育に繋げるために,『計算機に何をやらせるべきか,数学的に何に着目して,どう発想すべきか,ということを,常に学習者に意識させることができる教材とは何か?』というように定め,これを本研究の「問い」としている.次に本研究の目的を確認した.それは,通常の授業の中で,しかも大掛かりな準備なしに,比較的簡単に扱える教材であり,さらに,数学的な視点からサイエンスやテクノロジーの諸問題にも目を向けられるものでもある. そして,従来の通常授業で使われる数学教材,練習問題等にはない無駄を含む多種多様なデータという要素を入れた教材を作成する.それは,無駄を含む多種多様なデータから価値を見出し分析するといった数学的な体験させるものである. 以上の観点から,具体的な教材を作成し,提供し合った.具体的には,マハラノビス距離と2次曲線,ファジー線形計画法1,線形計画法2,線形計画法1,人気投票とべき関数,パレート分布と地震,パレート分布と伝送遅延RTT,連立微分方程式のベクトル場の理解,微分の理解,薬の吸収速度の推定1,薬の吸収速度の推定2,指数関数と対数関数とバクテリアの個数の推定,合成コサインカーブの特徴をつかむ,合成サインカーブの特徴をつかむ,などの14教材を作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のゴールは,十代のための数理・データサイエンス教育の基礎を支える数学教材を3年間の研究期間内に完成させることである.具体的には,(1)微分積分及び線形代数などで,計算技術を主においたものではなく,データ分析に必要な核となる数学的な考え方を理解できる教材(2)微分積分及び線形代数などにおいて,与えられたデータから,自ら考えた式を立て,適切に計算機を使い,自らの解を出し,分析するという教材(3)数学以外の分野との接点を提示し,現在の諸問題に関係するような具体的なデータから,その解決法を学習者に問いかける教材,である.現時点では具体的な教材作成を40%程度達成している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のゴールは,十代のための数理・データサイエンス教育の基礎を支える数学教材を3年間の研究期間内に完成させることである.具体的には,(1)微分積分及び線形代数などで,計算技術を主においたものではなく,データ分析に必要な核となる数学的な考え方を理解できる教材(2)微分積分及び線形代数などにおいて,与えられたデータから,自ら考えた式を立て,適切に計算機を使い,自らの解を出し,分析するという教材(3)数学以外の分野との接点を提示し,現在の諸問題に関係するような具体的なデータから,その解決法を学習者に問いかける教材,である.今年度は,現時点で作成した教材を上に述べた(1),(2),(3)に分類し整理し,ほぼ完成に近づけていく方針である.
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Causes of Carryover |
3月の新型コロナウイルス感染拡大により,参加を予定した学会が中止になり,使用することができなかった.次年度,これを学会参加費及び論文投稿費に使用する.
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