2019 Fiscal Year Research-status Report
中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発
Project/Area Number |
19K02749
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
小畑 千尋 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (20364698)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 音痴克服 / 中学生 / 自己肯定感 / 歌唱指導 / 教材開発 / 内的フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歌唱における生徒自身の内的フィードバック能力向上と生徒の心理面に着目して、中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発を行うことである。 研究初年度にあたる本年度はまず、平成28年度~令和元年度科研において実施した事例研究の対象者の追跡調査を行った。対象者は、中学2年次の時点で強い音痴コンプレックスを持ち、本申請者による継続的な歌唱指導を受けた中学3年生11名で、中学校卒業直後に、質問紙による追跡調査を実施し、現在、対象者の意識を中心に詳細な分析を行っている。 次に、研究協力校であるB中学校において、中学生の歌唱技能についての発達に着目した縦断的調査を開始した。対象者は中学1年生約160名で、第1回調査を2019年6月、第2回調査を約半年後の2019年11月に実施した。調査内容は、内的フィードバック、声によるピッチマッチを中心とした個別の歌唱技能調査、及び歌唱に関する意識についての質問紙調査である。歌唱に関する意識調査については、本申請者が開発した音痴意識を問う質問紙調査(Obata 2017)を基に作成した。現在、これらの調査結果について分析を行っている。 さらに、本申請者の内的フィードバックに着目した指導法を用いた小学生の音痴克服を目的とした教材制作の機会に恵まれ、動画教材についての知見を得ることができた(ベネッセ「進研ゼミチャレンジ4年生」2019年11月号 『わくわく発見BOOK』 「きたぱたがゆく!キミの疑問大調査! オンチはこく服できるのか」)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力校B中学校の協力を得て、中学生を対象とした歌唱の縦断的調査を、年間2回実施することができた。また、動画を用いた教材について新たな知見を得ることもできた。 以上の理由から、本研究がおおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、研究協力校の中学2年生を対象に、歌唱技能と歌唱に関する意識についての縦断的調査(2年目)を行う。但し、COVID-19の影響により、昨年度と同様の回数、同様の方法での実施は難しいことが予想される。実施時期、実施形態等について、研究協力校と連携を取りながら、年度内に1回調査を実施することを目指したい。同時に、音痴克服のための歌唱指導教材の作成を開始する。
|
Causes of Carryover |
理由:国際学会参加のための海外渡航費(航空券)が、概算よりも安価であったため。 使用計画:本年度実施したB中学校における歌唱調査では、1年間に2回調査を実施できたことにより、男子の変声と音痴意識との関連、内的フィードバックとの関連について、調査前には予想できなかった結果も得られている。これらの調査結果についてより精緻な分析を行うため、令和元年度に生じた次年度使用額をその費用に充当する。
|
Remarks |
教材監修: ベネッセ「進研ゼミチャレンジ4年生」2019年11月号 『わくわく発見BOOK』 「きたぱたがゆく!キミの疑問大調査! オンチはこく服できるのか」
|
Research Products
(8 results)