2020 Fiscal Year Research-status Report
中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発
Project/Area Number |
19K02749
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
小畑 千尋 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (20364698)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音痴克服 / 中学生 / 自己肯定感 / 歌唱指導 / 内的フィードバック / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歌唱における生徒自身の内的フィードバック能力向上と生徒の心理面に着目し、中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発を行うことである。 研究2年目にあたる本年度はまず、2020年11月に研究協力校であるB中学校において中学2年生約160名を対象に、音痴意識に関する質問紙調査、及び歌唱技能についての縦断的調査(第3回)を実施した。新型コロナウイルス感染症拡大の状況を鑑み、質問紙調査については、これまでの紙媒体から、Google Formsを用いた回答方法に切り替えた。また、個別の歌唱調査に関しては、B中学校と実施方法について複数回の打ち合わせを行い、マスクの着用、調査前後の消毒、常時換気、飛沫防止用のビニールシートの設置など、感染予防に十分に配慮した上で調査を行った。 また、2021年2月に、上記の約半数の生徒を対象に、「オンチの呪縛からの解放」と題し、本申請者による出前授業を実施し、受講した生徒のみを対象に質問紙調査を実施した。これらの分析を現在行うと共に、本授業を受けた生徒と、授業を受けない生徒とで、次年度の第4回調査における質問紙調査結果において差異がみられるかどうかについても検討を行う予定である。 さらに、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、集団での歌唱活動が困難な状況下において、児童が個別に動画を用いながら内的フィードバック向上の練習ができる教材制作を通して、オンライン教材についての新たな可能性を見出すことができた(ベネッセ「進研ゼミチャレンジ4年生」2020年11月号 『わくわく発見BOOK』 「きたぱたがゆく!キミの疑問大調査! オンチはこく服できるのか」)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力校B中学校の協力を得て、コロナ禍における調査方法を検討した上で、中学生を対象とした歌唱の縦断的調査(第3回)を実施することができた。また、当初研究計画にはなかったが、対象学年の半数の生徒に対して、「音痴」についてのレクチャーを行い、指導を受けたことによる効果についても、分析を行うことができた。 以上の理由から、本研究がおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、研究協力校の中学3年生を対象に、歌唱技能と歌唱に関する意識についての縦断的調査(3年目)を行う。新型コロナウイルス感染症拡大の収束の兆しがみえない現段階においては、昨年度と同様に、研究協力校と連携を取りながら、年度内に1回調査を実施することを目指す。
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Causes of Carryover |
理由:発表予定であった国際学会(於:フィンランド)が中止となり、国内学会もオンラインでの開催に限られ、旅費の支出がなくなったため。 使用計画:これまでの2年間に実施した縦断的調査において、男子の変声と音痴意識との関連、内的フィードバックとの関連、さらに指導による効果などについて、当初予想していなかった結果が得られている。これらの調査結果についてより精緻な分析を行う必要がある。さらに本申請者の所属大学変更に伴い、研究協力校における調査に交通費が必要となる。令和2年度に生じた次年度使用額を上記の費用に充当する。
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Remarks |
教材(マンガ・動画)監修:ベネッセ「進研ゼミチャレンジ4年生」2020年11月号 『わくわく発見BOOK』 「きたぱたがゆく!キミの疑問大調査! オンチはこく服できるのか」)
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Research Products
(6 results)