2019 Fiscal Year Research-status Report
プロフェッション倫理と市民倫理の相剋を活用した倫理教育のグローバル教材開発研究
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19K02752
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
戸田 善治 千葉大学, 教育学部, 教授 (50207586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 駿 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (40758687)
上原 賢司 藤女子大学, 文学部, 講師 (40826179)
金 慧 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60548311)
田中 伸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
三浦 朋子 亜細亜大学, 法学部, 准教授 (70586479)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プロフェッション倫理 / 市民倫理 / 倫理の相剋 / 倫理教育 / 公共 / グローバル教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「公民科」内に新設された「公共」、「倫理」および道徳教育を視野に入れつつ、日本および諸外国の学校教育でも実践可能なプロフェッション倫理と市民倫理の相剋を活用した倫理教育教材を開発し、その成果を諸外国に発信することである。平成31年・令和元年度は、以下のような研究を行った。 ・プロフェッション内の相剋関係の調査研究を行った。医師、法曹関係者、聖職者といういわゆる三大プロフェッションと呼ばれる職種を中心に、それぞれのプロフェッション内で共有されている倫理および、その倫理に抵触したとして各プロフェッション内で問題視された事例の先行研究調査を行った。 ・市民倫理とプロフェッション倫理の相剋関係の調査研究を行った。市民の要望・要求に焦点を当て、一般市民の倫理とプロフェッション倫理が相剋関係にある事例の先行研究調査を行った。 ・市民間における倫理の相剋関係の調査研究を行った。上記の2つの調査研究を中心に、一般民の要望・要求が相互に相剋関係にあり、その背後に異なる倫理観があると思われる事例の先行研究調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画は、以下の二つに整理できる。 ①これまでの研究成果に基づき、「プロフェッション倫理および市民倫理の相剋」の学習モデルとして再構築する。 ②「プロフェッション倫理と市民倫理」がドメスティックレベル、グローバルレベルで「相剋」を起こしていると思われる事例研究を行ない、グローバル教材(日本語版、英語版)を開発する。 ①に関してであるが、本研究の研究代表者が継続的に務めてきた研究グループの成果を援用するものであり、先行研究で開発した学習モデル案が作成できた。 ②に関してであるが、具体的な事例として、生殖ビジネスや生殖ツーリズム、航空機事故調査、医療事故調査などが、ドメスティックレベル、グローバルレベルでの「相剋」教材として活用できるとの結論を得た。 その一方、本年度末に行う予定であった研究会議は新型コロナウィルスの関係で開催することができなかった。ただし、メール会議等で研究メンバー間および千葉大学教育学部附属小・中学校教諭や岐阜大学教育学部附属小・中学校教諭との研究連絡を密にしたため、大きな支障は出なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、以下の二つの研究計画を実施する予定であった。 ①開発したグローバル教材(日本語版)を検証授業にかける。 ②海外の協力校でのグローバル教材(英語版)の検証授業をめざす。 ①に関しては、本年度に行った先行研究調査の成果を生かし、学習モデル案に基づいて、各分担者が個別にグローバル教材(日本語)の開発を行う。しかし、検証授業に関しては、新型コロナウィルスの関係上、実施可能かどうか、研究協力校等と相談の上、実施の時期、実施の可否を検討する。 ②に関しては、令和3年度に海外の協力校での検証授業を予定しているが、その前段階として、令和2年度に学校訪問および海外の研究者との研究情報交換等を予定していた。令和3年度での実施可能性を少しでも残すため、海外の協力校関係者とのメール等での密なコンタクトは行う。海外の学校訪問の時期、訪問の可否については、相手方と相談の上、確定する予定である。
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Causes of Carryover |
年度末に研究会議を予定していたが、新型コロナウィルスのため、研究会議を開催せず、メール等で研究成果の交換を行った。そのため、年度末まで旅費として確保していた予算を、他の経費として支出する時間的余裕がなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度へと繰り越した額は研究会議のための国内旅費あるいは他の経費の一部として支出する予定である。
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