2019 Fiscal Year Research-status Report
小学校生活科・社会科における空間認識形成の実態調査と指導方略のモデル化
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19K02760
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡邉 巧 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (00780511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 弘彬 兵庫教育大学, その他部局等, 助教 (30791272)
大坂 遊 徳山大学, 経済学部, 講師 (30805643)
岡田 了祐 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (80757287)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生活科教育 / 社会科教育 / 空間認識 / 市民性 / カリキュラム / 学習指導 / 教員研修 / 教科教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学校生活科・社会科における空間認識の指導実態と課題を「授業の目標・内容・方法」「学習環境の構成」「子どもの学習における躓き(学習指導の難しさ)」「地域環境の活用」を視点に解明する。空間認識の指導方略モデルを開発し、効果の検証を行うことである。そのために、本研究では文献調査および実地調査(質問紙および授業観察、インタビュー)によって、小学校生活科・社会科(おもに地域学習)における空間認識形成の指導実態と課題(困難な側面)を解明し、それを克服するための指導方略のモデル開発に取り組む。 1年次の令和元年度は、ヨーロッパやアメリカにおける「空間的・地理的な見方」に関する市民性教育(Spatial Citizenship Education)の教育動向に注目し、文献調査をおこない、論文化を進めた。Spatial Citizenship Educationでは、1)市民が社会に参加していくために、地理学の視点や方法(GISを含むジオメディア・空間技術の活用)が重視されていること。2)教員の養成や研修が重視されていること。3)地理学・地理教育の専門家と社会科教育の専門家の連携が主張されていること等が明らかになった。その上で、日本の社会科教育・地理教育への示唆を引き出した。また、日本の社会科教育・生活科教育に注目し、空間認識に関する学習指導の実態や所論を整理・分析し、論文化を進めている。 本研究の成果は、学会誌や大学紀要に投稿し、掲載(採択)された。また、国際学会の発表も採択された(新型コロナ感染症の影響で、2021年度に開催延期)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年1月以降に予定をしていた実地調査は、社会的状況を勘案し、延期した。しかしながら、文献調査によって、国内外の空間認識形成の指導実態を検討するとともに、実地調査の準備(フレームワークの検討)等をおこなうことができた。文献調査の結果は、論文が採択され、研究計画を修正しながらも、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、小学校での授業観察等の実地調査が難しい状況にある。研究計画の年次を入れ替え、文献や実践記録を中心に指導実態の調査をおこなう。
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Causes of Carryover |
2019年に予定していた国際学会での学会発表を2020年度以降に変更したことにより、海外旅費の変更が生じた。なお、2020年度の発表採択済分についても、学会の開催が2021年度に延期となった。また、2020年1月以降に予定をしていた小学校での聞き取り調査を新型コロナウイルス感染症等の状況を勘案し、延期した。そのため、国内旅費や研究に関わる校正費等を繰り越している。2020年度には、社会状況を踏まえながら、使用をおこなう予定である。
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Research Products
(6 results)