2019 Fiscal Year Research-status Report
グローバルな資質能力を育成する社会科教育及び教師の養成・研修に関する総合的研究
Project/Area Number |
19K02770
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森田 真樹 立命館大学, 教職研究科, 教授 (60340486)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グルーバル教育 / 社会科教育 / 教員養成 / アメリカの教育 / グローバルな資質能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでに取り組んだ科研費研究を基盤としながら、グローバル教育や多文化教育、シティズンシップ教育なども視野に入れ、社会科教育においてグローバルな資質能力を育成する方法と、その実践を支える指導者(教師)の養成・研修のあり方について総合的に解明することを目的とするものである。 2019年度は、研究計画に従って、まずは、NCLB 法から2015 年のESSA(Every Students Succeeds Act)への転換、学力評価によるアカウンタビリティのさらなる進展、Common Core State Standards の策定といった、教育政策面での新しい展開について文献調査を中心に整理をしてきた。また、各州の社会科教員となるための教員免許制度についても、日米の文献を収集しながら検討をしてきた。グルーバル教育や社会科教育については、これまでの科研費研究でも一定の文献の収集は行ってきたため、その再整理をしながら、補足資料の入手に取り組んだ。とくに、日本でも紹介されることがある、カリフォルニア州、ニューヨーク州、ウィスコンシン州などの州の教育委員会や教員養成大学のウェブページを参照しながら情報収集にあたってきた。 このような研究の中で、全国統一の教員養成制度があるわけではなく、各州独自の方法が取られていることもあり、文献のみでは把握しきれない部分も多く、従前の研究計画通りに、2月~3月に現地調査を行う予定にしていたが、新型コロナ感染症拡大の関係で実施が不可能となった。 そこで、2月から3月期は、とくに日本国内の新学習指導要領や教員養成、現職研修をめぐる最新動向の検討を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の段階から、2019年度は、文献調査を中心とした研究をたてていたため、この点については、およそ計画通りに進んだと考える。とくに、日本の教員養成や新学習始動要領に関連する文献が多く出版された年度であったため、それらの収集や分析を行うことができた。 他方で、研究の中で重要な位置をしめていた、米国での現地調査が、新型コロナ感染症の世界的拡大にともなって、予定の時期に行うことができなかった。 そのため、研究の進展に、予定よりも若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、研究計画に従って、米国各州のカリキュラムや教科書の収集と分析、日本国内でのグローバルな資質の能力育成に関わる議論の整理などに取り組んでいきたい。 米国への現地調査を、2019年度に実施できなかったため、現時点では、2019年度の調査予定であった内容を加えて、2020年度に予定している現地調査の期間を若干延長することを検討している。 他方で、新型コロナ感染症の問題が、いつ収束するか先が見通せない状況であり、研究計画段階で予定していた国内学会のいくつかも、すでに中止が決定している。米国への現地調査の実施可能性についても、現時点では未知数の部分があるが、現地調査が難しくなった場合には、インタビュー予定者にメールやwebでインタビューするなど、方法を変更して実施することも念頭に研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2019年度は、後半期(2月~3月)に、米国への現地調査を行う予定であった。年明けからの、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の問題によって、現地調査を行うことができず、海外調査で予定していた予算を執行することができなかったため。 2019年度に未使用となった予算については、2020年度に、米国での現地調査を複数回実施するか、1回の調査期間を延長することを予定しているため、主に、海外調査の費用にあてることを予定している。
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