2020 Fiscal Year Research-status Report
数学教育における空間認識力を測る読図問題の作成に関する研究
Project/Area Number |
19K02778
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
澤田 麻衣子 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (20645246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 空間図形 / 読図 / 図表現 / 空間認識力 / 問題作成 / 幾何教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教育現場で見られる学習者の空間図形が表現された図を読む過程(読図過程)の不明瞭さと授業者の空間図形の図の扱い方の不適切さが互いに絡み合っているのではないかという点に着目し、学習者の読図過程に用いる念頭操作内容を捉えるための算数・数学的な読図問題を作成することである。 そのために、2020年度は、まず、前年度から取り組んでいる読図問題の作成を具体的に数学の学習の場に位置づけられるように取り組んだ。数理認識という観点からの考察を行い、算数・数学の図形学習に関するモデル化に取り組みである。また、図形学習の場は論理的、系統的、抽象的に図形や空間を扱うことを通して空間を養うことのできる場である。これを前提に、読図過程の数学の理論体系における位置づけに取り組みも行っている。一方で、空間図形の認識において学習者が読図を用いる思考過程に、映像的イメージ操作または言語的操作のどちらの活動が主となっているか言及することも重要である。この点について、先行研究で実施した授業実験や空間図形の認識に係るデータを整理し、読図問題の精緻化を行っている。さらも、これまでの期間、試案実施が難しかった読図問題の実施、検証に向けて準備を進めている。これら断片的ではあるがそれぞれの課題に対し並行して研究をすすめることができ、読図問題の作成と、算数・数学の学習における位置付けを行うことに繋げる見通しをたてることができたのが本年度の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度も新型コロナウィルス感染症の影響をうけ、具体的な読図問題試案の作成や読図問題試案の実施に係る体制の整備を行うことができなかった。一方で、読図問題の内容をより具体的に数学の学習の場に位置づけられるように、数理認識という観点からの考察のために、算数・数学の図形学習に関するモデル化に取り組むことができ、読図問題の作成と、算数・数学の学習における位置付けを行うことに繋げる見通しをたてることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
具体的な読図問題試案の完成のために、具体的方法を工夫し、試案実施による調査データを収集することを行う。また、今年度の並行して得られた成果を、読図問題をより具体的に数学の学習の場に位置づけるための全体像を捉えながら統合的に扱っていく。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウィルス感染症の影響により予定していた出張(国際学会の延期、実施校との交渉など)が中止となったことが理由である。 (使用計画)実施校との交渉のための旅費,国際学会での情報収集および学会発表のための参加費としての使用を計画している。また、学術的情報 を収集するための図書などの購入も計画している。
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