2019 Fiscal Year Research-status Report
水書用筆を活用したICT教材及び授業開発と水書用筆を組み入れた書写指導の理論構築
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19K02779
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
樋口 咲子 千葉大学, 教育学部, 教授 (00431734)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 水書用筆 / 硬筆運筆指導 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、平成29年告示の新学習指導要領ではじめて導入された学習用具である水書用筆を使用する書写授業について、目的や実施方法を分かりやすく解説し、具体的な動画教材や授業モデルを開発してWEBサイト上で公開し、ＩＣＴの活用によって、文字学習入門期の運筆指導を効果的に行えるようにすることである。また、新しく導入された水書用筆という学習用具を組み込んだ、「硬筆・水書用筆・毛筆」を関連づけた指導体系の理論構築を目的とする。
本年度は、水書用筆による授業展開の方法について、千葉県や福井県の教員、社会教育団体の書写指導者を対象に講習会を実施した。その中で、従来から水書用筆の成果としてあげられている、鉛筆の持ち方が改善されることや、とめ・はね・はらいといった運筆を理解しやすいこと以外に、硬筆運筆時に無駄な力がぬけて運筆しやすくなるという、新たな教育的効果が判明した。
それを受けて、千葉大学教育学部附属小学校において、実態調査と授業実践を行い、成果を数値化して分析した。実践の目的は、「硬筆とほぼ同じ大きさの軟筆を使用した運筆指導を硬筆指導の前に取り入れると、どのような効果があるか」で、１・３・５年生を対象に行った。１年生は水書用筆を使用し、３・５年生は小筆を使用した。文字はどの学年も同じ文字（漢字と平仮名）で調査と授業を行った。その結果、どの学年も、点画の種類によって成果が違うこと、学習直後は一定の効果が得られるが、時間が経過すると定着度は低いこと（継続的な指導が必要）、運筆時の筆圧が安定して無駄な力が抜けることがわかった。また、学年が上がる毎に高い成果が得られていた。水書用筆が導入された低学年だけでなく、中学年・高学年でも継続的に硬筆とほぼ同じ大きさの軟筆を使用した運筆指導を行うことの有効性が証明され、その指導体系を考える必要性があることが再確認された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初１年目に動画教材を作成する予定であったが、先進的な実践家の間で、使用する水書用筆の種類が定まらないという状況がおきている。研究的実践当初、児童が水をこぼす心配のないタンク式のものが多く使用されていたが、軸が鉛筆と同じ太さの、水をつけるタイプを使用した方が、軟筆による運筆の感覚が鉛筆に持ち替えたときに関連づけやすいという意見が多くなった。そのため、軸が鉛筆と同じ太さの、水をつけるタイプの水書用筆を用いて、有効性を確かめる計画を先に実行することにした。千葉大学附属小学校で授業実践を行い、その結果、指で筆毛部を強くしごくと水をつけていない空筆状態になり、手本をなぞるなど練習が出来、効果的な活動の幅も広がることがわかった。容器に入れた水をこぼす児童も１時間に一人程度で、授業に慣れるにしたがいスムーズに行えることがわかった。２年目に行う予定であった授業実践や授業モデル開発、水書用筆による授業効果を数値化しての分析・考察も１年目に行った。また、「硬筆・水筆・毛筆」を関連づけた指導体系の理論構築のための基礎データも収集した。
以上のように、１年目と２年目の研究内容を入れ替えたかたちとなり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
２年目である今年度は、動画教材を制作する予定である。新型コロナの影響もあり、撮影は感染が収束してから協力業者等と行うことになる。それまで、絵コンテの検討を進める。また、「硬筆・水筆・毛筆」を関連づけた指導体系の理論構築のための考察を深めていく。
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| Causes of Carryover |
当初１年目に動画教材を制作する予定であったが、２年目に制作することになったため。
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Research Products
(2 results)
