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2019 Fiscal Year Research-status Report

地域・生活の課題を科学的に思考する消費者教育プログラムの開発と実践研究

Research Project

Project/Area Number 19K02788
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

濱田 栄作  琉球大学, 教育学部, 准教授 (20413718)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords消費者教育 / 科学教育 / 環境教育
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,学校現場における消費者教育のさらなる充実を目的に,生活や地域の課題を理科学習に組み込み,それらの課題を科学的に思考するプログラムを開発するものである。理科に消費者教育的な視点を組み込むことで,理科学習の有用性を生徒が実感しやすくなるとともに,科学的思考を伴った倫理的消費行動をできる人材の育成につながることが期待できる。
今年度は,新たな環境問題として注目されているマイクロプラスチックを扱った教材を開発するとともに,離島の水資源となる海水淡水化技術について,RO膜と手動式ポンプを用いて海水から真水を抽出する実験教材を開発した。身近な海岸でのマイクロプラスチックの採取活動や,プラスチック製品の必要性について生活を振り返りながら改めて考えることで,海洋ごみに対する興味関心を高め,環境問題を自分事として捉えるきっかけになった。また,海水淡水化実験教材を体験することで,海の大切さに加え,エネルギー的な視点からも問題を捉えることができ,地域のエネルギー課題を主体的に考えるきっかけになった。
社会的な課題であり,合意形成が難しい高レベル放射性廃棄物の地層処分問題をテーマにした中学生向けの討論型ゲーム教材を開発し,授業実践も行った。生徒はゲームの場面が進むとともに,合意形成の難しさを感じながらも,他者と議論することを楽しむことができた。本ゲームをきっかけに,9割以上の生徒が高レベル放射性廃棄物の地層処分について興味関心が高まったと回答し,本ゲームが導入用教材として有用であることが確認できた。
消費者行動に欠かせない計量単位の理解度調査の一環として,義務教育課程の教科書に登場するSI接頭語の理解について,高校生・大学生を対象に調査分析したところ,SI接頭語の理解度は低く,SI 接頭語を体系立てて学習する機会が必要であることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り,地域課題として島しょ地域で生活する生徒たちにとって深刻な課題となるマイクロプラスチックを題材にした教材開発と実践を行うことができ,活動用ワークシート教材を,広く公開することができた。社会的な課題としてとりあげた,高レベル放射性廃棄物の地層処分問題をテーマにした中学生向けの討論型ゲームについては,ワークシート教材を印刷し,今後,様々な機会を捉えて学校現場で活用し,その教育的効果について,検討していく段階となった。

Strategy for Future Research Activity

初年度に開発した教材を活用した授業実践をすすめ,その教育的効果について検証し,教材のブラッシュアップをはかる。また,製品事故情報データベースから科学的リテラシーの欠如により発生した事故事例を抽出し,発生原因と対応する教育内容との関連についてまとめ,消費者教育における理科学習の意義について検討する。海洋ごみについては,海岸におけるごみの挙動調査や,西日本から南西諸島における汚染状況を統一した手法で,継続的に調査を行い,学校現場での活用を見据えたデータベースを構築する。高レベル放射性廃棄物の地層処分問題は,既に処分地建設が進むフィンランド等における合意形成事例等を参考に,高レベル放射性廃棄物の学校現場における教科との連携を模索する。
各テーマで得られた成果については,学校現場における実践や教育系学会において積極的に発表し,成果を広く周知する。

Causes of Carryover

製品事故情報データベースに関する調査にかかる謝金を計上していたが,初年度は研究代表者が予備調査を実施したため経費は発生しなかった。次年度の本格調査で支出する。参加を予定していた学会が新型コロナウイルス感染防止のため中止となったが,こちらについては,次年度の学会参加に係る経費として支出する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2019

All Journal Article (4 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] SI接頭語に関する認知調査及び分析2019

    • Author(s)
      濱田栄作, 恩川日向子
    • Journal Title

      日本理科教育学会全国大会発表論文集

      Volume: 17 Pages: 412

  • [Journal Article] 島の水環境を題材にしたプログラムの開発と実践2019

    • Author(s)
      濱田栄作, 松本佳奈, 江頭俊
    • Journal Title

      日本環境教育学会研究発表要旨集

      Volume: ― Pages: 167

  • [Journal Article] メディアにおけるSI接頭語の取り扱いとその理解度について2019

    • Author(s)
      濱田栄作, 恩川日向子
    • Journal Title

      日本エネルギー環境教育学会第14回全国大会論文集

      Volume: ― Pages: 214-215

  • [Journal Article] 討論型ゲームを活用した高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する授業実践2019

    • Author(s)
      波照間生子, 勝連奈央, 相川智彦, 渡邉正俊, 濱田栄作, 清水洋一
    • Journal Title

      日本エネルギー環境教育学会第14回全国大会論文集

      Volume: ― Pages: 72-73

  • [Presentation] SI接頭語に関する認知調査及び分析2019

    • Author(s)
      濱田栄作, 恩川日向子
    • Organizer
      日本理科教育学会第69回全国大会
  • [Presentation] 島の水環境を題材にしたプログラムの開発と実践2019

    • Author(s)
      濱田栄作, 松本佳奈, 江頭俊
    • Organizer
      日本環境教育学会第30回年次大会
  • [Presentation] メディアにおけるSI接頭語の取り扱いとその理解度について2019

    • Author(s)
      濱田栄作, 恩川日向子
    • Organizer
      日本エネルギー環境教育学会第14回全国大会
  • [Presentation] 討論型ゲームを活用した高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する授業実践2019

    • Author(s)
      波照間生子, 勝連奈央, 相川智彦, 渡邉正俊, 濱田栄作, 清水洋一
    • Organizer
      日本エネルギー環境教育学会第14回全国大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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