2020 Fiscal Year Research-status Report
Studies for linguistic issues facing primary school children
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19K02789
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岩男 考哲 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30578274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 弘一郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40350813)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 語彙 / 習得 / 特別支援 / 小学校 / 国語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画2年目にあたり,本来であれば(文献調査に加えて)実際に教育現場に足を運び,子供たちの言語使用の実態調査を始める予定であった.しかし,残念ながら新型コロナウイルス感染症の蔓延により,(こちらの心情的にも調査を依頼する施設の方針的にも)それはかなわなかった. おそらくこの状況は2021年度の後半にまで及ぶと予想される(そして,教育施設に立ち入りが可能となるのは,更に遅れることが予想される)ため,この状況が改善されるまでは,文献調査を先に行うことにした.ただしこれは,多少研究の順番が前後しただけで,大きな変更ではない.この点は人を対象とした研究であるため研究計画に柔軟性を持たせていたことの利点であったと言える. こうした方針のもとで行った2020年度の研究成果を国際学会で発表する予定であった(発表も採択されていた)のだが,その学会も1年延期となってしまった.しかし,2021年度はオンラインで開催されることが決定しているため,そこでこの2年分の研究成果を報告する予定である(報告原稿も既に提出済み). その具体的な内容を簡潔にまとめると,幼児期に触れる書籍等に登場する語彙の特徴として【形容詞が少ない】【その形容詞の中でも(心理的な語彙ではなく)対象の外見・属性を述べるものが大多数である】という点が明らかになった.ただし興味深いことに,あたかもその形容詞の不足を補完するかのように,【心情を想起しやすいオノマトペの使用が数多く見られる】という点も明らかになった. 今後は,形容詞とオノマトペの更なる調査,ならびに書籍調査に加え,具体的な発話場面の調査(これはコロナウイルスの状況次第)について更に調査・考察を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の通り,新型コロナウイルス感染症の蔓延により,教育現場への調査のための立ち入りが困難となった(ならびに,調査をさせていただくフィールドへの調査者の移動も困難となった)という点に尽きる.ただし,この点を補うため,研究の順序を入れ替える等しているため,大きなマイナスとはならずに済んでいる.あとは,フィールドへの立ち入りが許される状況になるのを待つばかりである.
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Strategy for Future Research Activity |
既に述べたように,現場への立ち入りが困難であることから,文献調査をより重点的に行うことにした.その成果も少しずつ出始めており,2021年度に国際学会で成果を発表することも決まっている.今後は,これまで通り文献調査を行いつつ,新型コロナウイルス感染症の状況次第ではフィールドの調査も行うようにしたい.ただし,子供が相手であることから,まずは教育現場の方針を重視することは言うまでもない.
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により,出張ならびに調査のすべてが不可能であった.そのため,旅費・調査に必要な物品,書籍の購入等を控えたため.現状が改善され次第,調査ならびに分析に移る予定である.
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