2020 Fiscal Year Research-status Report
へき地小規模校における教材・教具支援を図るためのシステムの研究
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19K02801
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
境 智洋 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40508537)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | へき地教育 / 理科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本別町を研究対象地域とし、本年度は、小規模校の理科教育に関する教材・教具の有無や理科室での実験内容の調査を継続して行った。しかし、コロナ禍により入校が制限されたため詳細な状況の調査に至っていない。次に、教育委員会が主体となって地域の小学校の理科教育を支援するシステムづくりに着手した。今年度は、サイエンスキットを保管し、貸し出しシステムの導入を図る準備を進めた。「流水のはたらき」に関する流水実験器を増産し、貸し出せるようにパッケージ化して町内の小学校に貸し出せるようにした。結果、全小学校に貸し出しして流水実験が行われた。さらに、地層の剥ぎ取り標本を作成し、パッケージ化した。実験装置を教育委員会で管理し、貸し出すシステムを作り上げる予定であったが、コロナ禍で進捗できず、システムづくりは2021年度へ持ち越しとなっている。2021年度に再構築を図るとともに、図書館における図書貸出システムを利用した実験装置貸し出しシステム運用を準備する。 本システムは、アメリカアラスカ州で行われているサイエンスキット運用を日本へ応用を図るものである。予備調査によって、学校、地域、自治体、高等教育期間が1つになって地域の子供どもたちの問題解決能力の育成を図るとともに、州内の小規模校の理科を支えるシステムが州で運用されていることがわかってきた。2019年度より渡米してアラスカ州の調査を行い、サイエンスキット作成及び、サイエンスキットの運用方法等に関する情報を入手する予定であった。しかし、2019、2020年度とコロナ禍の影響で全く調査ができない状況になっている。最終年度に再度調査を試みるが、難しい場合は遠隔による調査等も視野に入れていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アラスカ州フェアバンクスでは児童生徒の科学的な問題解決能力を育成する授業のためのサイエンスキット貸し出しシステムがある。この取り組みをアラスカ大学の協力で詳細に調査する予定であった。この調査を2020年度に実施する予定であったが、感染症の状況がさらに悪化し、渡米による調査ができない状況となった。さらに、国内のシステムを作り上げて運用に持ち込む予定であったが、国内状況も改善されず、調査や、本格システムの導入も実施できない状況である。今年度も、堆積実験器及び地層の剥離標本を作成し、本別町内小学校で活用を図っている。
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Strategy for Future Research Activity |
アラスカ大学フェアバンクス校の協力を得て、サイエンスキットの取り組みとそのシステム(製作:教材教具の作成、保管:保管場所、方法:貸し出しシステムとその運用方法)の3点で調査を行う。アラスカ大学への調査は依頼済みである。2021年度はできる限り現地調査を実施したい。2021年度に難しい場合は、メールや遠隔での調査も含め検討する。国内では、本別町のサイエンスキットパッケージは2種作成済みである。今年度はさらにパッケージ化できる実験装置の開発をすすめるとともに、遅れている運用方法の確立を目指していく。大学、現地(本別町教育委員会・本別高校)の連絡は取れており、コロナ禍の状況を判断しながら、へき地小規模校の児童の問題解決能力の育成とともに、理科教育の振興を図るシステムづくりを進めていく。
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Causes of Carryover |
アラスカへの調査費用及び国内調査及び、教材作成がコロナ禍によって実施ができない状況となっている。2021年度にアメリカ及び調査地の状況が改善されれば、現地調査を2回、及び国内での活動を実施する。
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