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2021 Fiscal Year Research-status Report

美術鑑賞学習におけるデジタルツールを活用した思考の可視化方略の効果と課題

Research Project

Project/Area Number 19K02803
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

石崎 和宏  筑波大学, 芸術系, 教授 (80250869)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords美術教育 / 美術鑑賞 / 思考の可視化 / 学習方略 / デジタルツール
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、美術鑑賞においてデジタルツールを活用して思考の可視化を促す学習方略を開発し、その効果と課題を実証的に考察するものである。特に美術鑑賞プロセスにおいて、鑑賞者が各自の問いや感想、解釈を相互に共有するためのグループワーク、作品に関する鑑賞者のナラティブや作品の意味についての思考を効果的に視覚化するためのデジタルツールを活かした映像表現活動など、作品解釈の深まりを促すための思考の可視化方略の具体化と検証を試みている。
本年度は研究の第三段階として、現在の社会的状況と教育環境の変化をふまえ、オンライン環境での美術鑑賞ツールに焦点をあて、学習者の思考の可視化を促すための方策と課題について検討を進めるとともに、それらの具体的ツールのプロトタイプを作成し、そのユーザビリティについて検討した。特にMicrosoft TeamsやZoomを使用した場合のオンライン環境において活用できる平易なツールとしてPowerPointやSpark Videoを利用した美術鑑賞コンテンツの開発を進めた。さらに、iPadなどのタブレッド端末で広く利用できるように、iOSディバイス用プログラム言語のSwiftを用いた鑑賞支援アプリのプロトタイプを試作し、その使いやすさと課題について検討を進めた。アプリのツール開発では、観察、連想、感想、分析、解釈、判断の鑑賞行為と、主題、表現性、造形要素、スタイルの作品要素によって構造化した鑑賞スキルを活用し、その鑑賞スキルの観点から学習者が自らの鑑賞についてのメタ認知を促す方略を検討した。また、自動音声テキスト入力機能を活用したデジタル鑑賞メモを具体化し、思考の可視化方略としての可能性について検討した。研究成果の一部については『新・教職課程演習』(第15巻、第21巻)において発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度の研究では、特にオンライン環境での美術鑑賞において思考の可視化を促すためのツールとして、TeamsやZoomで活用できるコンテンツの開発を進めることはおおむね計画通り遂行することができた。また、iOSディバイス用の鑑賞支援アプリのプロトタイプの作成や自動音声テキスト入力機能を活用したデジタル鑑賞メモの具体化もほぼ計画通りに進められている。一方、それらのユーザビリティについての考察はやや遅れている状況である。なお、研究協力者との研究協議は新型コロナウィルス感染防止の観点からオンラインを活用して柔軟に対応することができている。

Strategy for Future Research Activity

次年度は研究目的をより精緻に達成するために研究期間を延長し、これまでの研究成果を総括した考察を進めるとともに、それらをまとめた英語論文を作成する計画である。特に鑑賞スキルのフレームをメタ認知に活用し、鑑賞スキルの観点から学習者が自らの鑑賞についてメタ認知することを促す方略を総括し、思考の可視化方略としての効果と課題について考察を進める。また、iOSディバイス用の鑑賞支援アプリの開発を進めつつ、協働的な美術鑑賞においてそれらのデジタルツールを取り入れて思考の深化を促す方策の精緻化を図る。

Causes of Carryover

令和3年度に繰越額が生じたのは、新型コロナウィルス感染予防の観点から国外の研究者招聘と、研究代表者の海外渡航による国際会議発表が実施できない状況が続き、当初計上していた招聘研究者と研究代表者の旅費、謝金、翻訳の費用の支出が本年度においても未使用となったためである。
令和4年度においては、研究者招聘と国際会議発表等の費用を本研究課題に基づく成果発表を国際学術誌に投稿する費用に変更して使用する予定である。次年度使用予定額の内訳は、投稿論文の英文翻訳と校閲費である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Book (2 results)

  • [Book] 『新・教職課程演習』第15巻「鑑賞する活動の内容構成」2021

    • Author(s)
      石崎和宏
    • Total Pages
      227(108-109)
    • Publisher
      協同出版
    • ISBN
      978-4-319-00356-3
  • [Book] 『新・教職課程演習』第21巻「美術鑑賞の発達理論」2021

    • Author(s)
      石崎和宏
    • Total Pages
      241(90-92)
    • Publisher
      協同出版
    • ISBN
      978-4-319-00362-4

URL: 

Published: 2022-12-28  

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