2021 Fiscal Year Research-status Report
教員養成における音楽授業プログラムの国際比較研究:領域横断的な視点から
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19K02807
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
時得 紀子 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (30242465)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音楽科授業 / 教員養成 / 領域横断 |
Outline of Annual Research Achievements |
領域横断的な学びが国際的に加速する中、音楽科が参画したモデルプランの提示が求められている。申請者らが先行科研で収集した日本・米国・豪州・スイスでの音楽科が関わる実践モデルをリソースとし、これまで蓄積してきた知見を活かしながら、日本の学校音楽において活用できる授業プログラムの開発に取り組んだ。 海外での調査研究はコロナ禍の影響を受け、昨年度も全ての訪問ができない状況となった。そこで計画を変更し、海外の研究協力者から授業実践の映像提供を受け、オンラインによる視聴及び分析を行った。昨年度、新たに収集した授業事例から、次の傾向が顕著にみられた。PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング: 課題解決型学習)の一環で、協働創作により作品発表をする実践、あるいは、テクノロジーの活用による創作活動の実践がより多様になった。 国内においては、文部科学省のGIGA スクール構想の推進により、全ての校種において、ICTを活用した音楽とテクノロジーが関わる学びの豊富な事例が見られた。これらの中から、学習指導要領(音楽科)において重要視されている、他者と協働しながら新たな価値を創造していく活動を視座に、優れたモデルに焦点をあて、指導者に向けてのガイドラインを示すとともに、授業プログラムのモデル構築にも取り組んだ。 国際音楽教育学会 東京大会、並びに北京師範大学主催の教師教育学会 (いずれもオンライン開催) において、成果の一部を発表した。同時に2つの大会誌において、Full Paper (原著論文) が査読審査を経て採択された。(北京師範大学大会への掲載の2編は2022年度に出版される。) 2022度開催の国際音楽教育学会世界大会(豪州ブリスベン)に向けて10月に投稿したFull Paper (原著論文) 2編が、査読審査を経て2022年2月に採択された。併せてこの豪州大会では、2つの口頭発表を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け、海外調査研究のための渡航、国内の一部の調査研究、及び国内外での学会発表など、多くの計画のキャンセルを余儀なくされた。 そこで、オンラインを活用した打ち合わせ会議とともに、現地の授業映像資料の入手など、海外の研究協力者のサポートを得ながら実地調査を補うことで取り組んできた。このように計画の変更をはかりながらも、研究成果の一部をアジア地域大会、世界大会(オンライン開催)において発表することに努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍に鑑み、オンラインを活用した諸外国の授業実践(映像資料を含む)の情報収集、インタビュー調査などに研究方法を切り替えると共に、現地とのオンラインによる連携の機会をさらに深めながら、研究の遂行に努めていく。 その一方で、社会情勢を見ながら、アジアの一部地域を新たな調査研究の対象に含め、調査研究に取り組む計画である。 国内においては社会情勢に配慮しながら、対面による授業実践の調査とオンラインによる調査とを併行して取り入れながら、速やかに推進していく方策である。 次年度は、国際音楽教育学会 世界大会などがオンラインで実施され、既に口頭発表、論文掲載が決定している。また、世界各国が注力する、STEAM教育などのワークショップにも積極的に参加し、本研究に活かしていくための情報収集にも取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
本年度は海外フィールド調査について、コロナ禍の影響を受け、全て実施ができずに残額が生じた。その一方で、社会情勢を見ながら、アジアの一部地域を新たな調査研究の対象に含め、調査研究に取り組む計画である。この調査が加わることより、次年度使用額の新たな追加が見込まれる。さらに、国内フィールド調査、情報収集のための各種セミナーへの参加費、旅費などが必要となるため、これらの残額を使用する。
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