2023 Fiscal Year Research-status Report
教員養成における音楽授業プログラムの国際比較研究:領域横断的な視点から
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19K02807
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
時得 紀子 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (30242465)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 音楽授業 / 領域横断的 / 教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は社会情勢に配慮しつつも、海外の現地授業調査に赴くことができた。当該年度はこれら現地調査から得られた情報を礎とし、日本における授業への試行に注力した。具体的には海外ではメジャーとされ、教育現場でも多用されている、ドイツのAbleton(エイブルトン)社の音楽創作ソフトを日本の小、中学校に活かした授業を試み、その成果と課題の分析に取り組んだ。(1)小学校では、4、5、6年生を対象とした。このAbleton社の教育用無料公開ソフトにより、児童がドラム、ベース、コード、メロディを自在に組み合わせながら、ポピュラー音楽の組み立て方を理解できるようになること等を目指した。授業前と授業後の後のアンケ―ト調査から、児童の音楽構造への理解、意識の変化を探ったところ、8割以上の児童に理解の深まり、意識の変化が見られた。(2)中学校2年生では、「理科」「音楽科」「美術」の領域横断により、Ableton社の音楽創作ソフトを活用した学習を試みた。身の回りの物質を構成している、原子や分子の基本的な概念を理解した後、各自が好む原子や分子を選び、それをイメージした画像や動画を作成した。さらにドラム、ベース、コード、メロディを生徒が自在に組み合わせ、動画のBGMを創作した。理科が苦手な生徒も、音楽や動画など、芸術的な視点からの創作アプローチにより、原子への興味・関心が高まる傾向などが示唆された。 これらの成果を2023年韓国ソウルにて開催された、APSMER(The 14th Asia-Pacific Symposium for Music Education Research) 並びに、鳴門教育大学にて開催された、The 11th China-Japan Teacher Education Conference の各国際学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍を経て、海外における実践の現地調査に赴くことができたことは、情報収集において一定の成果をあげることができた。 その一方で、収集したインタビュー調査、映像資料、教材等の資料を分析し、日本の教育現場の環境の中で、領域横断的な視点から授業づくりを構築し、開発や評価をしていくことに多くの時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までは、オンラインを活用した海外の授業実践の情報収集に取り組むと共に、オンラインによる連携をはかりながら、現地に赴いての調査にも取り組んだ。 これらの情報を活かし、今後は国内において、社会情勢に配慮しながら対面による授業実践を引き続き推進していく方策である。 2024年度7~8月は、国際音楽教育学会ヘルシンキ大会(フィンランド)での口頭発表、及び、FullPaper(全文論文)が採択されており、現地での開催に出席する。この大会では、世界各国が注力する、STEAM教育などの研究発表、ワークショップにも参加し、本研究に活かす情報収集にも取り組む。
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Causes of Carryover |
これまでの海外調査研究の成果を足掛かりとした、日本国内での小・中学校における、領域横断的な音楽授業プログラムの実践授業の継続を行う。その成果発表、情報収集のための学会、各種セミナーへの参加、旅費等が必要となるため、これらの残額を使用する。
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