2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of Technology Education of Systematic Thinking by Development from Mathematics and Science to Engineering and Technology of STEM
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19K02817
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
角 和博 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80145177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 猛能 日本工業大学, 共通教育学群, 教授 (70239581)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | STEM / 技術教育 / 工学教育 / 理科教育 / 数学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
STEM教育は科学技術に関する専門知識をもつ職業人を増やす目的ための国家プロジェクトとして進められている。STEMの基本概念は市民全般の科学技術認識向上のための教育であり、社会における科学者や技術者の層の増加を目指している。さらにアートを加えたSTEAM教育も注目されて、デザイン思考に基づいた使いやすさやスタイルなど人間と技術の親密性を向上する社会システムの構築も目指そうとしている。複合教科的な視点から技術教育を捉え直すことは教育目標の明確化にとって有意義なことであるが、逆に様々な教科を統合するあまり実際の授業運用や教材開発が不明瞭になる欠点も出てきた。そのため、複合教科的な視点を維持しつつ、かつ生徒の学習過程に焦点を当てた授業運用の研究も必要となっている。 米国の技術工学教育に関する新版のスタンダードが2020年8月に刊行された。この17ページに技術・工学スタンダード(STEL)とSTEM教育との関係が述べられているが、その内容はSTEM4文書「挑戦への協働力」からの引用に近いものである。このことからITEEA独自のSTEM教育というより、ITEEAの技術教師の先導的評議会(ACTE)が、州数学指導主事評議会(ASSM)や州科学指導主事審議会(CSSS)と共同作成したと考えられる。今回の技術・工学スタンダードの副題にはSTEM教育における工学と技術の役割とあることからSTEMとの融合が重要な機能を果たしている。新しいスタンダードのおけるSTEM教育の位置づけについて検討する。 本研究では、技術・工学スタンダード、STEM4文書、及び先進的CTE等から提出された資料をもとに、技術・工学スタンダードにおけるSTEMの取扱い及び両者の関係について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では、技術・工学スタンダード、STEM4文書、及び先進的CTE等から提出された資料をもとに、技術・工学スタンダードにおけるSTEMの取扱い及び両者の関係について調査した。新しいスタンダードのおけるSTEM教育の位置づけについて検討した。 STELでは、STEMの統合的なアプローチは社会的要請を達成するために、またSTEMの中の技術と工学の重要性を広く認識するために必要がある。STELの17ページに次の原則が述べられている。 (1)STEM教育では、個々のSTEM分野の学習を進める。この原則により、統合的なSTEM体験の中でも、個々の学問分野の概念を学ぶことの整合性を保つ。各分野の内容は、その基本的な構造、目的、厳密さを変える必要はない。 (2)STEM教育は、個々のSTEM分野間及び分野間の論理的かつ真正なつながりを提供する。科学、技術、工学、数学の学問分野は、あらゆる年齢層の生徒にとって自然で一貫性のあるつながりを持っている。特に、技術は、創造的な思考と問題解決のための手段として、本物の現実世界のシナリオで必要とされるものに関与している。生徒がデザインの課題、実験室での経験、さらに学際的な概念を統合した課題に取り組む中で、4つの分野のすべてが連携する。 (3)STEM教育は、STEMキャリアへの架け橋となる。学生のもつSTEMへの関心と自信は、高等教育におけるSTEM教育と相関関係がある。職業指導は、STEM教育の重要な要素である。例えば、業界の専門家との有意義な交流や職場内でのSTEMの経験は、学生がSTEMに関連した学術的な内容を探求することに役立つ。
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Strategy for Future Research Activity |
米国の技術工学教育に関する新版のスタンダードの内容を詳細に検討しつつ、STEM4文書「挑戦への協働力」からSTEM教育における工学と技術の位置づけを検討する。。また、、ITEEAの技術教師の先導的評議会(ACTE)や州数学指導主事評議会(ASSM)や州科学指導主事審議会(CSSS)の報告書や理科や数学のスタンダードの内容を検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナで出張関係は、すべてオンラインとなり、旅費の支出がなく、その分を物品費や人件費に振り分けたが、すべてを支出できなかった。その分は次年度の経費に充てようと考えている。
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Research Products
(10 results)