2021 Fiscal Year Annual Research Report
教師が苦手意識を克服し中学生にわかる授業ができる理科教師の育成:天文分野を例に
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19K02818
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉田 安規良 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (30381198)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教師教育 / 中学校 / 理科 / 地学 / 天文学 / 地質学 / 天球儀 / 苦手 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)令和元年度に現職教員を対象として実施した天球儀を用いるための教師教育実践及び令和3年度に実施した教員志望学生を対象とした同様の教師教育実践を論文としてとりまとめて投稿した。現職教員は実際に自分が行う授業を想像できても,授業実践経験がほとんどない学生は,教師教育で自分が学ぶ側として経験したことをそのまま授業で行うものだと認識する可能性があることがわかった。 (2)令和2年にあった部分日食の観察を題材に、オンライン授業下で「探究的な学習活動を宿題として生徒に課すことを想定」したワークシート作成課題に教員志望学生がどのように取り組むだのかを分析し、学生の教材作成能力を概観した。実体験できる状況下においても、学生は、課題として明示していない状況をワークシートの内容に組み入れることが不十分で、宿題として生徒が行う学習活動を十分に想像できていないことが示唆された。また、火成岩の分類に関するペーパーテストを分析する課題を通して、教員志望学生が「思考・判断・表現」を評価しようとしたペーパーテストの出題内容についてどのように捉えているのかを調べ、その結果を報告した。出題内容に違和感を感じた学生もいたが、ほぼ全員が出題者の想定通りに「正答」した。27人中15人が岩石の判断理由を答えさせた点を、11人が火成岩に関するいくつかの知識を組み合わせて解答させた点を肯定的に評価した。全体的な色の特徴から岩石を特定することの困難さを7人が、採点基準の曖昧さや採点の難しさを6人が、出題構成と配点に関する問題を4人が指摘した。 (3)天文分野以外で教師が苦手意識をもっていると考えられる「食育」について、栄養教諭の関わり方の視点から授業実践事例を報告した。 (4)令和3年度科学技術週間関連イベントでマーカーレス型ビジョンベースARを用いた地層観察教材を紹介した。
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